公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「シダの観察会3」

625日(月)
 
 ここから山へ入って行った。ここに道があることは知っていたが、初めて入る道である。林の中だけに中は薄暗い。正にシダの生育していそうな環境である。
 ここで最初に紹介されたのは、ニンジンの葉に似た葉をしているタチシノブであった葉身は灰緑色で、3回羽状複葉に見える。葉は柔らかそうで、しなやかである。下記の資料によると、「葉柄は葉身とほぼ同長で、針金状,・・・中軸や羽軸は向軸側(表面)が溝となる」とあった。面白そうな特徴だったが確認できなかった。
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 タチシノブ

 更に奥へ入ると、ミゾシダがあった。暗い所にあり、フラシュを焚いて写真を撮った。葉は濃い緑色をしている。羽片の切れ込みが狭く、小羽片の間隔が狭い。小羽片の先端は丸みを帯びている。上の方の羽片には柄がなく、ぴたりと中軸についている。こういうつき方を中軸に流れてつくと表現するのだろうか。牧野新日本植物図鑑によると、「葉身は卵状長楕円形1回羽状複葉、上部の羽片は次第に小さくなり、下部のものはわずかに下向きにつく」とある。下部の羽片を見ると確かに下向きになっている。牧野さんは、「やはり、細かいところまでよく見ている」と思った。
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ミゾシダ

 崖下を見ると大きなシダの株が見えた。葉身も長く大きい。イノデと紹介された。葉身は、長楕円形で、2回羽状複葉、先が次第に細まる。羽片は25対以上あり、大きな葉になっている。ここから見ると、羽片がのこぎりの歯のように見える。
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 イノデ

 次に見たのはホシダである。葉身は細長い楕円形で、1回羽状複葉羽片の切れ込みが浅く、鋸歯とみていいのだろうか。鋸歯の先は鋭い。写真が鮮明でないので、詳細は分かりにくい。牧野新日本植物図鑑によると、「羽片のもとは切形で、短柄がある」という。更に「穂羊歯と書き、葉の先が穂のように伸びた頂片になっていることからホシダと名付けられた」という。
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 ホシダ

 一番奥で紹介されたのはリョウメンシダである。名前の通り、両面が同じように見え、どちらが表で裏か分からない。葉身は2回羽状複葉で大きな株になっている。「杉の林の下によくみられる」という説明があった。
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 リョウメンシダ

 ここから来た道を戻り、芦原湿原へ向かった、来たところはキブシやマユミが近くにある木道である。この木道から芦原湿原の中を覗いた。ヨシなどの湿原植物に混ざってコウヤワラビが繁殖していた。先日もここを歩いていて、コウヤワラビの存在に気が付いていた。名前が分からなかったので、課題にしていた1つであった。葉軸に翼があり、羽片の縁は波を打った鋸歯状をしている。
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 コウヤワラビ

 ここから場所を変えて、ショウブ園へ向かった。ショウブ園の入り口にトクサがある。この存在には以前から気が付いていた。見たところ細いタケのようで、節が見える。葉がないように見えるが、牧野新日本植物図鑑によると、「節に見える黒色の部分が、鞘状の葉である」という。
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トクサ

撮影 618


  記 平成30621日(木)