公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「シダの観察会1」

623日(土)
 
 四季の森公園でシダの観察会があるというので参加してみた。集合時刻の13時に集合場所へ行くと、50人を超える程の参加者が集まっていた。こんなに関心を持っている人いるとは、驚くばかりだった。3つのグループに分かれ、それぞれにインストラクターが付き観察会が始まった。
 普段行くことのないセンター棟の裏の植込みへ行った。最初に紹介されたのは、イヌカタヒバであった。盆栽の鉢によく現れてきて、駆除が難しいと思っていたものである。シダについては初めて学ぶので、手始めに下記の資料を読んだ。下記の資料によると、「イヌカタヒバは、常緑シダ植物で、葉には2型があって、大型の腹葉と小型の背葉をつける」という。腹葉と背葉とは一体何だろうか、この言葉の意味することから調べなくてはならなかった。腹は前、背は後とみて、腹葉は表面から見える葉、背葉は裏側から見える葉と解釈した。葉の軸の裏側を見ると、交互に2列に並ぶ単葉のようなものが見える。これが背葉と見るようだ。資料では、「背葉の辺縁に白膜があり、先端は芒状に尖る。」とあるので、自宅のプランターにあったイヌカタヒバと思われるものを見た。背葉を見ると、非常に小さい。接写写真を撮ってみたが、白膜、芒状も確認できなかった。
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自宅で見つけたイヌカタビバ?

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自宅で見つけたイヌカタビバ?
中心に見える小さい葉が背葉?
両端に見える大きい葉が腹葉?
 
 次に紹介されたのは、カタヒバである。イヌカタヒバの名前からイヌの名前がとれただけで、紛らわしい。カタヒバは緑色が濃く、ひも状に見え、葉が密集していない。下記の資料によると、「腹葉に鋸歯はないが、背葉の縁に鋸歯がある」と説明されている。裏面の写真を撮っておくべきであった。
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カタヒバ
 
 次にイヌワラビが紹介された。葉身は卵形から広卵形、2回羽状複葉、羽片には短い柄がある。夏緑性シダ植物で、牧野新日本植物図鑑によると、「葉に長い柄があり、柄の長さ3050cmでやわらかい」という。葉軸が紫色をしているのが特徴と話された。下記の資料によると、「最下部羽片の基部下側第1小羽片はないことが多い」という。
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イヌワラビ

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 ここが欠損した基部下側第1小羽片の位置だろうか

 次はゲジゲジシダである。このシダは以前教わったことがある。葉身は細長い。中央付近の羽片が長く、間隔があいている。下記の資料によると、「葉身は1回羽状複葉で、上下に向かって幅が狭まる」とある。このシダの形として、「五角形、三角形、魚型」と説明されたが、よく理解出来なかった。ここで改めて考え直すと、「上下に向かって幅が狭まる」ことから、魚の骨組みが連想できる。魚型が一番合っているように思えた。名前はゲジゲジの姿から来ているという。
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 ゲジゲジシダ

 次は、常緑性のベニシダである。若い葉が赤みを帯びていることが特徴である。今見ると、右横の若い葉は確かに赤みがかっている。しかし、左の葉は若くないこともあり、緑色である。こうなると、ベニシダとは分からない。葉身は三角形に見え、2回羽状複葉。葉の裏側には赤褐色の胞子嚢が2列に並び、きれいに映った。下記の資料によると、「最下羽片基部の下向き小羽片が短い、羽軸裏面には袋状鱗片が多い」など興味深い指摘があった。
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ベニシダ

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2列に並んだ赤褐色の胞子嚢
 
 次は、冬緑性のオオハナワラビになる。この株は小さいので、葉身は三角形に見えたが、牧野新日本植物図鑑によると、「ほぼ5角形で、23回羽状に深裂する」とある。また、「オオハナワラビには裸葉と実葉がある」と記載されていた。「裸葉と実葉」とは何のことだろうか。資料1によると、「裸葉は栄養葉ともいわれ、生殖器官としての胞子嚢を形成しない葉で、実葉は生殖器官としての胞子嚢を形成する葉」の意味ということである。裸葉(栄養葉)の基から胞子嚢穂の茎が出る。ということなので、今見ている葉はオオハナワラビの裸葉(栄養葉)と思える。このシダは小葉の切れ込みがかなり浅く、細かい。
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 オオハナワラビの裸葉(栄養葉)?

撮影 618

  記 平成30620日(水)