公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の公園「ナツノタムラソウ、ナツツバキ、イヌゴマが咲く」

622日(金)
 

 芦原湿原の一番奥まったところにコバノカモメヅルがあり、花をつけている。コバノカモメヅルの名前の由来を調べようと、牧野新日本植物図鑑を見ると、カモメヅルの名前の付くものが「アオカモメヅル、コバノカモメヅル、コカモメヅル、オオカモメヅル」と4種類挙げられていた。こんなにあるものか、と思いながら読んだ。コバノカモメヅルの欄に、本種をカモメヅルと呼ぶのは誤りで、カモメヅルはタチカモメヅルの別名と記されていた。そこで、タチカモメヅルについて検索すると、記載が見つからなかった。インターネットで「カモメヅルの名の由来」で検索すると、多くの資料に「対生する葉の形態をカモメの翼にたとえたものという」と記載されていた。コバノカモメヅルは「小葉鴎蔓」と書き、葉が小さいカモメヅルを意味している。花の名前が葉の付き方、大きさを基にしてつけられたことが奇妙に思えた。4つのカモメヅルはいずれも萼、花冠が深く5裂している。コバノカモメヅルの5裂した花冠の先端は捩れ、風車の形になって見える。中心に見える小さい花のようものは副冠で,この内側に雄しべとめしべが入っている。

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 コバノカモメヅル
 
 先ほどから、ぽつりぽつりとオカトラノオを見てきたが、ここ一帯にオカトラノオが群生している。白色の曲がった花序が虎の尾に似ているところからこの名前が付けられたという。今最盛期を迎えているようだ。
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 叢にピンク色の花が1輪見えた。離れているので、望遠写真を撮って見た。花は輪生している。小花を見ると、唇形花であり、上唇は立ち上がり、下唇は3つに割れている。葉は対生で、細長い楕円形をしている。イヌゴマになるようだ。昨年の822日に、舞岡公園で見ていたが、すっかり記憶になかった(資料)。
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 蓮池の垣根に青紫色の花が咲いてきた。先日も咲いていたが、あまりよく見ていなかった。先日一目見た時、「これはナツノタムラソウか、アキノタムラソウか、それとも園芸品か」と思った。例年見かけるアキノタムラソウは叢の中にあり、自然に出現してきたと考えらえるが、この垣根の傍だと、自然に出現してきたのか分からない。タムラソウの名前が出てくると、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウ、それにタムラソウの名前が挙がる。ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウの3つについては共通性があるが、タムラソウについては共通性がない。このことについては、過去に調べたことがある(資料1)。中村浩さんは、タムラソウだけ別の語源であると指摘していた。ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウの3つのことになるが、よく見かけるのはアキノタムラソウで、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウはめったに見かけない。このことについても過去に調べたことがある(資料2)。資料2では、ハルノタムラソウは、『ウイキペディアによると、「本州では紀伊半島、四国、九州に分布する」』と記した。したがって、横浜辺りで見ることはないと頷ける。ナツノタムラソウとアキノタムラソウの違いについては、資料3で、「ナツノタムラソウは雄しべが曲がらず、花冠の外へ突き出る」と学んでいる。しかし、理屈と実際とは上手く噛合わない。この写真を見ると、雄しべが真っすぐ伸びている。従って、これはナツノタムラソウになると思われるが・・・。
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ナツノタムラソウ?

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ナツノタムラソウ?

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 ナツノタムラソウ?

 蓮池前にナツツバキが1本ある。花が目立たなく、うっかり通り過ぎてしまった。戻ってみると、花は残っていたが少なく、花期の末期であった。ここへ来るたび見ていたのだが、来るのに少し間が開いてしまったのかもしれない。
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 ナツツバキ

撮影:617

  記  平成30620日(水)