公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

舞岡公園「鮮紅色になったオニシバリの果実」

611日(月)
 
 今年は、クリの雄花は捉えていたが、雌花を捉えていなかった。そのため、雌花を捉えようと、先日、三ツ池公園へ行ったが、雄花は散り、雌花も果実に成り始めてしまっていた。雄花の写真を撮ってからそんなにも経っていなかったと思ったのが間違いであった。クリの樹は舞岡公園の前田の丘にもある。そこで、最後の望みをかけて舞岡公園へ出かけた。
 運がよく、今日は坂下口からのコースが取れるバスが来た。舞岡公園へ入り、前田の丘へ向かう坂を上り始めると、両側に色々な樹木の果実が見えてきた。右側の樹の下に赤色の果実が見えた。鮮紅色で目が惹かれる色である。「これはオニシバリの果実である」と直ぐ分かった。花は緑色をした小さな円筒花である。小さな花からこんなに見事な果実が出来るとは想像できない。それほどこの果実を1度見たら、強く印象づけられる。
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 オニシバリの果実

 春に、ここの樹々は白色の花を咲かせ、躍動感を味合わせてくれた。今は、花期を終え、それぞれが果実をつくり始めている。花の美しさ、つくりの精密さは、人の心を和ませ、探求心を惹き起こさせてくれた。果実は地味だが、種類によって、形、大きさが異なり、それぞれが味わいのある顔を見せてくれる。
 トンネルのように道に覆いかぶさっている樹はミズキである。十文字に咲いた花は、白色の階段を思わせるようだった。今は、その花が緑色の丸い果実に変わっている。大きさは直径が5mmほどだった。
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 ミズキの果実

 ミズキの樹は大きく、沢山の葉を付けたので、キブシの樹が小さく見える。このキブシも沢山の葉を付けているので、果実が葉の陰になって仕舞った。今年は、キブシの雄花と雌花の違いを見ようと、いろいろ試したが、キブシは簡単に違いを教えてくれなかった。それでも、何度も見ていくと、雌花の中の雌しべが花から突き出た姿が分かってきた。キブシの果実は、ブドウのように枝から垂れた花軸の周りに付いている。また、周りの他の果実と比べると比較的大きく、長さ1.3cm、幅0.8cmと楕円形をしている。
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 キブシの果実

 ウツギの樹も白色の綺麗な花を咲かせた。この花を見る度に、「夏は来ぬ」の歌を思い出す。昔はどこにも見られ、庶民的な花であったことが伺われる。ウツギの果実は花軸から上へ出た短い柄の先に付いている。直径が5mmぐらいの球形で、頂部が平らになり、そこに雌しべの花柱が残されているところが特徴的である。この形も印象的である。
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 ウツギの果実

 マユミの葉が大きくなり、果実が葉に隠れるようになった。マユミの果実は正方形で、特徴的な形をしている。今は、緑色だが、次第にピンク色から赤色へと変わっていく。葉が落ちた時、枝に散らばる果実の光景は思わず目が惹き寄せられる。この正方形を見ていると、4個の種子が含まれていると想像できる。正方形の1辺は1cmほどであった。
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 マユミの果実

 更に上へ進むとエゴノキがある。枝から下がった長い柄の先に咲いた花は美しい。美しものには棘があるとか、毒があるというが、エゴノキの果皮には毒性があるようだ。牧野新日本植物図鑑には、「生の果皮をすりつぶし、川に流して魚を麻痺させるのに用いられる」との記述がある。果実は柄が2.5cmあり、「長い」と感じる。果実そのものは長さが1cm、幅が8mmであった。
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 エゴノキの果実

 エゴノキの向かい側にガマズミがある。ガマズミも白色の小花を沢山咲かせた。花期は長いのではと思っていたが、咲いてみると、あっけなく散って仕舞った印象が残った。この果実は扁平の形をしており、初めて見た時、「変わっているなぁ」と思った。果実を見ると、大分なくなっている。野鳥に食べられたのかも知れない。果実を計測すると、長さ5mm、幅3mm、厚み1mmほどであった。
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 ガマズミの果実

撮影:68
 
  記  平成3069日(土)