公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

宇和島城「ウスベニカンザクラ」

330日(金)
 
 宇和島城天守閣へ辿り着く行程は植物園のようで、特徴のある草木には丁寧に記名されている。いろいろな公園を訪れているが、これほど草木に記名されているところはなかた。
ヤブニッケイが出て来た。ヤブニッケイはシロダモに似ている。今まで、この樹はヤブニッケイではないかと思う樹も、大抵シロダモで、ヤブニッケイを見る機会は少ない。いい機会なので、葉の大きさを計測すると、長さ9cm、幅3.5cm、葉柄1.2cmであった。下記の資料を見ると、シロダモの葉は長さ13cm、幅4.5 cm、柄3cmと記録している。また、ヤブニッケイの葉の裏側には伏せ毛がない。単純に比較はできないが、シロダモの方がひとまわり大きいようだ。
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ヤブニッケイの葉:表

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 ヤブニッケイの葉:裏

 この幅の広い葉はアラカシの葉になる。東日本にはシラカシが多いが、西日本ではシラカシに変わってアラカシが多く見られる。両者はよく似ているが、アラカシの方が葉の先の幅が広く、鋸歯が粗いようだ。冬芽の形もシラカシによく似ている。このところの暖かさで、冬芽は丸みがかり、大分大きくなっていると思われる。測定してみると、長さ1.5cm、幅7mmであった。
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アラカシ

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アラカシの葉と冬芽

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アラカシの冬芽

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 アラカシの葉の裏

 いろいろな草木を見ながら漸く頂上へ着いた。いろいろな城を見ているが、城はいずれも眺望の効く高い所にある。この立地条件は敵の攻撃から身を守るうえで欠かせない条件だが、我々が見学に来るのには容易でない。上がりついたところは城壁の工事中で大きな石がごろごろしていた。前方にサクラが見えたのだが。柵があり、近づくことが出来ないのが残念だった。それでも、樹木名が掛けられており、ウスベニカンザクラと分かった。カンザクラの名前はよく耳にするが、ウスベニの名前がつくウスベニカンザクラの名前は初めて聞く名前である。どんなサクラか、資料を調べると、下記の資料では「ウスベニカンザクラはヤマザクラカンヒザクラの交雑と考えられ、原木が松山市生石町にあった」と記されていた。松山市は気候的にサクラの樹の生育に適しているのだろうか、先日はツバキカンザクラの原木が松山市居相町の伊豫豆比古命神社にあることを知ったばかりである。撮影した写真を見ると、雄しべが長く、資料の写真と幾分違うように見える。どちらかと言えば、この写真はツバキカンザクラに似て、赤みが強いように見える。

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ウスベニカンザクラ

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 ウスベニカンザクラの花

 宇和島城の建物そのものは城としては小さい部類に入る。城を出て、山を下り始めた。暖かくポカポカした陽気で、道端には春の野草が咲き始めていた。シロバナタンポポが目に入った。シロバナタンポポは関西の方に多いといわれているが、関東の方でも丘のあたりに見ることがある。
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撮影:34
 
  記  平成30326日(月)