公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

松山城「カワヅザクラ」

325日(日)
 
 広場の中央付近に赤い実を付けた大きな樹があった。樹の感じからクロガネモチと思い、近付いた。やはりクロガナモチの名札が付けられていた。よく見るクロアネモチの葉は濃緑色に見えるが、今日は太陽の光が眩しいくらいに当たっているので、明るい緑色に見えた。葉だけを見れば別物に見えたが、赤い実は間違いなくクロガネモチを表現していた。
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クロガネモチ

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 クロガネモチの果実

 この葉を付けた樹はシラカシだろうか。細い楕円形で、上の方に浅い鋸歯が入っている。しかし幹を見ると、スダジイのような溝模様が入っている。シラカシにはこのような模様がない。よく見ると、ツブラジイの名がつけられていた。シラカシとツブラジイの違いについては過去に調べたことがある(資料)。それによると、「ツブラジイの幹には割れ目はないが、スダジイは大木となれば、縦に大きく深く割れ目が出来る。ツブラジイはスダジイと比べ幹は真っすぐ伸びる。」と書き留めてあった。もう1度幹を見直すと、スダジイとは違い、真っすぐ上へ伸びている様子が分かる。
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ツブラジイ

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 ツブラジイの葉

 坂を上って行くと城が見えてきた。松山城は広く、ここまで来るのが容易ではない。重装ないでたちでこの厳しい山登りをした昔の武士たちの強権な体力には驚くばかりである。赤いヤブツバキの花が見えた。今ヤブツバキは彼方此方で見ることが出来る。ここへ来るまでにも何ヶ所かで見て来た。
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 右に曲がる道がある。しかし、この奥へは行けないようだ。ここに葉が大分生えたサクラがあった。このサクラは下で見たサクラと違い、カワヅザクラのようだ。近づいてみると、花の直径は3cⅿあった。萼筒や花柄には毛がなく、雄しべも長くない。
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 城の石垣の間からスミレが顔を出していた。雑木林などでよく見かけるスミレはタチツボスミレであるが、このスミレは葉が丸くなく、細長い。どんなスミレになるのだろうか。スミレの仲間はいろいろあるので、調べて見ると、下記の資料では「有茎種と無茎種」に分けられていた。スミレに茎があるとは今まで知らなかた。次に側弁の毛の有無を見ている。今までここまで細かく見て来なかった。このスミレについては、資料が少なく特定することは出来ない。
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 石垣の間から出たスミレ

 石垣には、大小さまざまな石が複雑に組み合わされており、外側は滑らかな曲線を描いている。いろいろな城を見ているが、どの城にも同じような石垣が見られる。近代的な道具や機械がない時代にこのような大規模な建築物をつくるには相当な労力が必要だっただろう。
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高い石垣

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 石垣と城

 ヨウコウの蕾が見えた。先が赤く染まっているが、まだ1輪も咲いていない、膨らみ状況から考えると、あと数日で開花すると予想される。この開花寸前の冬芽を見た時、ソメイヨシに見えた。ヨウコウは何度か見ているが、特徴が摑めていなかったので、調べ直してみた。すると、過去に1度調べていることが分かった(資料1)。それによると、「天城吉野(アマギヨシノ)と寒緋桜(カンヒザクラ)との交配によって作り出された。
(参考:http://kyo-no-hana.com/blogs/kyohana/2010/03/post-236.html)」と書いていた。アマギヨシノについて分らなかたので、更に調べると、下記の資料2で、「竹中要氏由来の桜で、静岡県国立遺伝学研究所オオシマザクラを母種にエドヒガンザクラを父種にして誕生した品種です。」と説明されていた。この資料で、ヨウコウの冬芽がソメイヨシノに似ていることが分かってきた。
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 ヨウコウの冬芽

撮影:313

  記  平成30321日(水)