公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

松山城「ツバキカンザクラ」

324日(土)
 
 坂の上の雲ミュージアムから少し行ったところに秋山兄弟の生家がある。平屋建てのこじんまりした家である。この家は、昭和20年の松山空襲で焼失したものを、平成17年から復元されたものであるという。兄弟は、下級武士の家に生まれ、家庭は困窮していたという。兄の好古(よしふる)は師範学校陸軍士官学校に学び、フランス留学を経て日本騎兵の確立に寄与した。一方弟の真之(さねゆき)は東京大学を中途退学後、海軍士官学校で学び、アメリカ留学経て、海軍の戦法技術に寄与した。兄弟そろって、日清戦争日露戦争の勝利に貢献したと伝えられている。下級武士が当時どんな待遇を受けていたか分からないが、上級学校へ進んでいること、家の中を拝見した限りでは、一般庶民と比べれば、家庭が困窮であったとは想像できない。成績は優秀であったと推測できる。
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 秋山兄弟の生家

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秋山好古の騎馬像

 ここから松山城を目指した。ここから見える松山城は高い山の上にある。観光地だけあって、松山城の上り口へ通じる商店街は多くの観光客で賑わっていた。資料によると、松山城の標高は132mあり、歩いて上がるのは厳しい。そのためロープウェイ・リフトが運行している。ロープウェイに乗って上がっていくと、満開になったサクラが通り過ぎて行った。ロープウェイが速く進むので、写真が撮れなかったのが残念だった。あのサクラの名前は何というのだろうか。
 ロープウェイはわずかな時間で終着駅の長者ヶ平(山頂)駅へ着いた。ここから松山城天守」入口まで、徒歩で10分ぐらいだという。長者ヶ平(山頂)駅を出たところで、サクラの樹が見えた。見たところ花に元気がない。もう花期の末期に来ているのだろうか。このサクラを見ると、萼筒や花柄に毛があるものとないものとが入り混じっている。萼筒や花柄に毛があるサクラはエドヒガン系である。エドヒガン系の形質は○○ヒガンとヒガンの名前がつくサクラやソメヨシノと考えられるが、何とも不思議なサクラである。「不思議なサクラだ」と思い、樹を見回すと、「ツバキカンザクラ」の名札が掛けられていた。ツバキカンザクラは何度か見ているが、詳細を記憶していなかったので、調べ直した。資料1では、「ツバキカンザクラはカンヒザクラまたはカンザクラとシナミザクラ(カラミザクラ)の雑種」と確認している。萼筒や花柄に毛があるとすれば、シナミザクラ(カラミザクラ)の形質の遺伝と考えられる。そこで、シナミザクラ(カラミザクラ)を調べることになった。すると、資料2に「雄しべは多数あり、長さは花弁とほぼ同長・・・萼の筒部は毛が密生する・・・花柄は毛が密生する・・・」とあった。思った通り、萼筒や花柄にはシナミザクラ(カラミザクラ)の形質が遺伝していた。遠回りしたが、ツバキカンザクラの詳細が分かってきた。
 資料2https://matsue-hana.com/hana/karamizakura.htmlカラミザクラ
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ツバキカンザクラ

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ツバキカンザクラ

撮影:313

  記  平成30320日(月)