公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ヤシャブシの確認

212日(月)
 
 この樹も枝が絡まっているようで、先程のキブシに樹形が似ている。しかし、この樹にはキブシのような花序がない。先日見て、この樹はヤマグワとみているが、今までこの様な樹形をしたヤマグワを見ていないので、確信が持てない。冬芽は薄い褐色の芽鱗に包まれている。丸みを帯びたこの姿はヤマグワの冬芽に見える。ヤマグワの冬芽の芽鱗は無毛というが、この冬芽を拡大して見ると、先が開き、毛に覆われた冬芽が見え始めている。この点が決めかねているところである。
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ヤマグワ

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 ヤマグワの冬芽

 ヤシャブシの樹のところへ来た。このヤシャブシを調べるのも今日の目的になっている。先日、この樹を見た時ハンノキと思った。しかし、雄花花序が全て上を向いている光景を見て吃驚し、調べるとヤシャブシになった(資料1)。その時の資料によると、雄花花序は開花すると下垂するという。今見ると、まだ上を向いている。従って、開花していないことを示している。雄花花序の様子を知ろうと写真を撮ったが、高く離れているので、鮮明な写真が撮れなかった。もう1点、「ヤシャブシの仲間の冬芽は無柄になっている」点を確認したかった。枝が下にあれば、直接冬芽の確認が出来るのだが、ここでは写真を頼りにするしか手がない。なかなか鮮明な写真が撮れないが、雄花花序については柄がないようだ。残念だが、雌花花序は今回も確認できなかった。
 さらに調べて行くと、資料2が見つかった。この資料では、オオヤシャブシヤシャブシの違いについて分かりやすく説明してあった。
資料2より抜粋(但し例外もあるとのこと)
オオバヤシャブシ・・・・枝の先端から、葉芽→雌花序→雄花序の順、果実が1個
ヤシャブシ・・・枝の先端から雄花序→雌花序→葉芽の順、果実は2~3個
 この資料を参考に写真を見ると、雄花花序が先端にあり、果実は複数付いている。従ってヤシャブシになる。
 雄花花序の下に見られる冬芽は資料2によると葉芽になるようだ。濃赤紫色でミズキの冬芽を思わせる。似ている樹のハンノキの葉芽とは大分違っている。
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ヤシャブシ:果実が2個ついている
    雄花花序は無柄

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 ヤシャブシ:葉芽

 芦原湿原を右に見て進んで行った。すると、「湿原の中にモズがいます」と声をかけてくれた女の人がいた。前方のヨシの当たりに飛ぶのが見えた。舞い降りたので、カメラを向けようとすると、直ぐに飛び立ち、ヨシの陰に隠れてしまった。ヨシの向こう側にカメラを構えた人が一人いた。先程からこのモズを追っていたらしい。何とかこちら側へ現れないだろうかと、待っていたが、何時まで経ってもモズは現れてこなかった。その内飛び立ち、林の中へ入って仕舞った。仕方なく、芦原湿原の突端へ来て休息をとった。目は先程のヨシの方を向いている。再び、モズが雪原へ戻って来るのを期待していた。しかし、モズは帰ってこなかった。
 歩き始めると、湿原側にミツバウツギが現れた。名前からウツギの仲間の1つらしい。ウツギの冬芽は対生である。この冬芽の並びを見ると、予想通り対生になっている。冬芽はウツギより、丸く、球形に近い。芽鱗に毛はないように見える。
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芦原湿原

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ミツバウツギ

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 ミツバウツギの冬芽

 反対側にウメの樹が何本かあるが、花は未だのようだ。冬芽を見ると、丸く大きくなっており、色づいていた。しかし、この段階ではハクバイかコウバイかは分からない。
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ウメ

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 ウメの冬芽

撮影:131

  記  平成3028日(木)