タマスダレが咲いた
9月13日(水)
公園の草木は人の生活に関係なく、気ままに生きている。7月下旬からこの8月はエンジュの花弁の落下で悩まされた。花の最盛期は風が吹いていないのに、雪が舞い落ちるように絶え間なく落ちていた。下をきれいに掃いている傍から落ちてくるので、その勢いには追い付いていけなかった。1時間もしないうちに黄色い絨毯は出来上がってしまう。人力が自然の力には及ばないことを学ばされた。
エンジュはマメ科の樹で、花は蝶形花をしている。シロツメクサやカラスノエンドウなどと同じ形をしている。此方は淡黄色なので、花自体は魅力的な花である。しかし、どんなにきれいな花でも数が多く成れば、美しさは軽減し、更に落下し絨毯のようになると、もう花の美しさは無くなってしまう。人の力の無力さを味わいさせられたため、しばらく放置しておくと、黄色い絨毯は茶褐色の薄い薄片に変わって地面を覆うようになった。日を重ねると、この剥片が重なり、板状に変わってきた。ここまで来ると、クワなどで引っかくと、固まった塊が板状に剥げてきて、下には元の地面が見えてくる。自然の力には勝てないので、逆に自然の力を利用すると、落下した花弁の処置も楽になる。
エンジュの花弁の積もった跡
エンジュの花
エンジュの小花
このところ、公園のヤブランの花が目立つようになってきた。日向より、日陰の方が、色が鮮明できれいである。散水した後の雫が付いた葉と一緒に見ると、更に美しさが増してくる。ヤブランは名前からしても、「藪」に育つことが分かる。公園では土止めに利用しているようだが、日向に植えられたヤブランは可哀そうに褪せた花しかつけられない。
最盛期を迎えているヤブラン
最盛期を迎えているヤブラン
花壇のタマスダレの株に白色の花が見えてきた。公園内には何株かあったが、抜かれたりしたため、ここにしか残っていない。牧野新日本植物図鑑によると、「葉の集まっている様子を簾に例え、花の白さを玉にしたのだろう」と説明されている。1株ぐらいではこのイメージは掴めないが、何株もあればそのように見えるのかも知れない。それにしても、昔の人の想像力、発想力は素晴らしい。この花は夕方になると、咲いていない。枯れてしまったのかと思っていると、翌日は咲いている。このことも「この花は夜になると閉じる」との説明があった。
直ぐ隣にタマスダレと同じような蕾が見えた。タマスダレの蕾は白色がかっているが、此方は赤褐色がかっている。また、葉が見えない。従って別物に見える。これはヒガンバナで、あと数日で咲くのではないかと思われる。ヒガンバナは彼岸頃に咲くことからその名前がつけられたという。あと数日で彼岸を迎える。草木も時を体内時計で読み取っているというが、どんな仕組みになっているのだろうか。
撮影:9月9日
記 平成29年9月11日(月)