キツネノカミソリが咲いていた
8月31日(木)
風がないので、畦道を歩いていると暑さが応える。少し歩けば水分を補給したくなる。それでも町の中を歩いているよりはずっと気持ちがいい。稲をはじめまわりの緑が目を癒してくれ、細い水路の水の流れの音が耳を癒してくれる。キンミズヒキ、ツリガネニンジン等、周りには大分秋の草花が増えてきた。
先日それほどでもなかったキツネノマゴが頻繁に現れている。大きくなってきたキツネノマゴの写真を撮った。何時も焦点の合わない写真が、今日は少し焦点が合った。キツネノマゴの花は唇形花で、上唇と下唇に分かれている。上唇に沿って2本の雄しべが這い上がってきて、葯を付けている。葯の下に見える曲線型のX形をしたものは何だろうか。下記の資料に、「これは雄しべの柄の距である」との説明があった。下唇は紫色をしており中央に白色の興味を引く模様が描かれている。また、舌を出すように下へ反り、先は3つに割れている。細かいところを見ていくと、なかなか面白い。
キツネノマゴ
キツネノマゴの花
ネムノキの第2休憩所へ着いた。ここでまた一休みである。今日は暑いせいか、訪れている人が少ないようで、前を通り過ぎる人がいない。この休憩所の右側に紫色の花を咲かせたムクゲの樹がある。よく見かけるムクゲの花は白色やピンクが多いが、この紫のムクゲの花もいい。緑の中に咲く花を見ていると、暑さも心持弱まるようだ。
山側の土手を見ると、オレンジの花が見えた。ノカンゾウだろうかと思ったが、花弁の色が濃く、幅が広く感じた。その時、「キツネノカミソリ」の名前が浮かんできた。キツネノカミソリの葉は早春に伸び出し、夏ごろには枯れるという。従って、今は葉がない。花弁は6枚だという。牧野新日本植物図鑑によると、葉の形から、キツネノカミソリとなづけられたという。
古民家へ入って裏庭へまわった。すると、背が高く、白色の小さな花を付けたものがあった。この姿を見て、「オトコエシ」ではないかと思った。例年、オミナエシを見てからオトコエシを見た気がしていたので、驚いた。下から伸びた茎は上で枝分かれし、その先に散房状に小花を付ける。小花の先は5裂している。オトコエシの葉は羽状に深く分裂し、独特な形をしている。
オトコエシ
チョウのようなものが葉に止まった。見たところガのようにも見える。チョウとガはどこが違っているのだろうか。過って、止まる時、「チョウは羽を閉じ、ガは開いたままと」と学んだことがある。不安定なので、もう1度調べてみた。資料によると、記憶に間違いなかった。更に資料では、触覚の先の違いについて、「チョウの触角の先は棍棒状で、ガは尖っている」と説明されていた。この説明を念頭に写真を見直すと、羽は閉じており、触覚の先は棍棒状になっている。その結果、チョウであると分かった。
資料:
更に、このチョウの名前を調べることになった。これは難問だと思ったが、資料1で「セセリチョウ」を選択すると、最後のイチモンジセセリへ到達した。更に、資料2で、イチモンジセセリを確認すると、間違いないようだった。
資料2:http://www.insects.jp/kon-tyoitimonjise.htm
撮影:8月22日
記 平成29年8月24日(木)