背丈が伸びたタカトウダイ
7月21日(金)
ハギが咲いている。ハギは秋を代表する花である。ところが、秋を待たず、いや、夏を待たず咲き始めている。昔よりも季節が早まってきたのだろうか。人の考えている季節と、自然の季節にずれが出てきていることを感じる。このハギは花序の枝が長く、小花を見ると。大きな旗弁が上に向かい、竜骨弁が翼弁より長くなっている。ハギの仲間にもいろいろあるが、このハギはハギの中でも代表的なヤマハギになる。
古民家へ入ったところで、ヤブランが咲いていた。先日、三ッ池公園でヤブランの開花を見て、「早いなぁ」と驚いたばかりである。ここでも開花を見ると、「ヤブランはそろそろ咲き出すものか」と思えてしまう。開花を確認するために近づくと、色づいてはいるが、まだ蕾だった。それにしても色付くのが早すぎるのではないだろうか。
さらに奥へ入ると、オレンジの花が道をふさぐように咲いていた。ヤブカンゾウで、この花も三ツ池公園で見てきた。ヤブカンゾウはユリの仲間のように見えるが、ススキノキ科ワスレグサ属で、別物であるということだった。
水田の畦道へ出て来た。視野が広がり、水田の緑が美しい。前回は、田植えの後で、苗が小さく、水面が見えていたが、今は水面が見えない。短期間の間だが、それだけイネの背丈が高くなってきたことになる。
水田風景
畔を見ると、相変わらずムラサキツメクサが多い。同じツメクサの仲間のシロツメクサは殆ど見ることがない。シロツメクサはムラサキツメクサより水気の少ないところが生育条件にあっているのかもしれない。ムラサキツメクサには驚くほど背丈の高いものも見つかる。ムラサキツメクサの後方にクサレダマが見える。クサレダマのところはムラサキツメクサの生育地よりさらに水気が多い。
園道へ上がり、前回見たオカトラノオの群生地を見ると、冴えない光景に変わっていた。2週間ばかりの間だが、オカトオラノオに瑞々しさがなくなっていた。こんなに早く衰えてしまうものかと、自然の厳しさを痛感した。
オカトラノオの群生地
タカトウダイの背丈が一段と高くなってきた。小花を見ると、4枚黄色い花弁のようなものが見える。此れは腺体と言われ、内側に雄しべがある。その後、その中心から球体が伸びて、その先にめしべが出て来る。所謂、最初が雄性期で、その後雌性期が来ることになっている。なかなか興味深い花である。
タカトウダイ
タカトウダイの花
撮影:7月10日
記 平成29年7月17日(月)