ヤマハタザオが咲いていた
5月11日(木)
ここからか坂道を下って行くと、水田へ出る。水田へ出たところには、今日見ようとしているキリの樹がある。期待しながら下りて行った。
右側の藪にウグイスカグラの赤い果実が僅かに残っていた。この果実の美しさを思い出しながら進むと、左側の足元に白色の小さな花が見えた。1度見たような気がするが、思い出せない。若しかしたら、「ハタザオでないか」と思いながら、確信が持てなかった。葉や花の大きさを計測しなかったのは失敗だが、後で調べると、葉や茎の毛の様子、葉のつき方を調べると、ハタザオには毛がないので、ヤマハタザオと分かってきた。
ヤマハタザオ
ヤマハタザオ:茎に毛がある
坂道は葉で覆われ、下の方が見にくくなってきた。今年何とか花を確認したヤマコウバシが見えて来た。「膨らんだ子房から伸びた雌しべ、黄緑色の花弁、黄色い葯は見える。雄しべや花弁の様子はよくつかめない」と4月20日に記録に残したことが思い出される。
下から見たヤマコウバシ(中央右側)
水田を目の前にして、青紫色の小花が密集しているものが見えた。1株や2株でなく、小さい株がたむろしているようだ。小さいがよく見ると、見覚えのある花のようである。名前が浮かんでこない。ヒメジソ、イヌトウバナ、イコウジュは、名前が似ていると同時に花も似ている。シソ科のこの仲間についてまだよく理解していない。昨年も悩んだが、今年も同じ時期が来たのかと思った。資料を参考に調べていくと、この花は萼の毛が短いので、トウバナになるようだ。水田の畦道を歩いていると、この花にそっくりだが全体が薄赤くなっているものが見つかった。どう見ても色が違うというだけで、同じものと思える。片方が日陰にあり、もう一方は日向にある。育つ環境により色が変わるのではないだろうか。
トウバナ:日陰
トウバナ:日陰
トウバナ:日向
水田は土が掘り起こされ、田植えの準備が進んでいる。農村ではこのような作業が続いているが、町の中にいると、季節を意識する感覚がなくなってしまう。土が掘り起こされ、苗が育てられ、田植えが行われていく自然の流れを知ることは感性を育んでくれる。
土を掘り起こした水田
畦道を見ると、ヘビイチゴ、オオジシバリ、トキワハゼなどが、所狭しと犇いている。ヘビイチゴは果実を結び始めている。オオジシバリは枯れようとしている。知らず知らずのうちに初夏から夏へ動いていることが分かってくる。最近になって、漸くヘビイチゴとヤブヘビイチゴの違いが分かるようになってきた。
ニガナ
撮影:5月5日
記 平成29年5月8日(月)