公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ヤツデの花について

111日(水)
  公園の東側にヤツデが咲いている。冬のこの時期は花が少ないので、自然と目が行くようになる。ヤツデは、名前の通り、1枚の葉が掌の様に裂けている。「ヤツ」ということから指が8本あるように思える。実際に数えて見ると、多少の違いはあるものの79に深く分かれている。
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 ヤツデ

 花を見ると、白色の枝が長く伸び、さらにそこから小枝が2回ほど伸び、その先に球状に小花が付いている。こういう花のつき方を散形花序と呼んでいる。資料1によると「上部の花序には両性花、下部の花序には雄花がつく」とある。そこで、花を見たが、どれが両性花なのかよく分らない。もう1度資料を見直すと、両性花のつく上部の花序として、頂部の花序が示されていたので、それを見た。すると、放射状に出た枝の先に1つずつ球形に近い果実のようなものがついている。この1つ、1つが両性花になるらしい。果実のようなものを見ると、上部が白色の蓋のよういなっていて、中央に数本の毛のようなものが伸びている。両性花ということから考えると、これは雌しべの名残と考えられる。
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頂部の花序

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 両性花

 この頂部の花序の下にある雄花の花序を見ると、白色の花弁と5本の雄しべがよく見える。花弁は心持ち外側へ反っている。おしべの先端は膨らんでいるので、ここに葯があり、花粉が入っていることが想像できる。雄花なので、雌しべは退化していることが考えらえられる。そこで、花の中央をよく見ると、短いが、雌しべと思われるものが見える。先の方は白色で半透明になっている。先程の両性花の雌しべとは違って見える。
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雄花の花序

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 雄花

 何かすっきりしないので、他の資料を探してみた。すると、資料2が見つかり、ヤツデの花には(雄性期:male stage)、中性期(無性期)、(雌性期:female stage)があることが示されていた。この資料によると、花弁や雄しべが見られるときは、雄性期で、雌しべは熟していない。雄性期が過ぎると、花弁やおしべは落ち、雌しべが熟し始め雌性期を迎え、受粉できるようになると示されている。
 資料2を読んで行くと、少し紐が解けてきたようになった。最初に見た頂部の花は花弁や雄しべが落ちたもので、雌性期に入っており、後で見た脇の花は、雄性期で、此方の花は花弁や雄しべが脱落した後、雌しべが熟さず落下してしまうらしい。
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 雄性期 枯れる

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雄しべ

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雌性期

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雌性期:果実期

 このような過程を考えると、頂部につく花が両性花で、下部につく花が雄花と言われるようになったことが分かってきた。
 
撮影:16
 
  記  平成2917日(土)