2.白色のノコンギクと紫色のノコンギク
10月31日(月)
白幡の森へ来るのも久し振りである。記録を見ると、前回来たのが5月15日であるので半年近くになる。ここの緑は、ここ1年ぐらいの間に大分変貌した。駐車場が整備され、宅地造成が行われた。切り開かれた造成地には、新たらしい住宅が立てられる寸前まで来ている。
秋に入り、鬱蒼と繁茂していた雑草が衰え始め、道が見え始めてきた。カモジグサやギシギシなどが消え、支えを失ったヒルガオが地面の殆どを覆っている。フェンスや生垣に絡みつき花を咲かせているヒルガオには可憐な美しさを感じるが、犇くように地面を覆うヒルガオには繁殖力の脅威を感じる。
地面を覆うヒルガオ
ヒルガオの草原の中をよく見ると、ハキダメギクが散在している。この花は色々な場所に顔を出してくる。ヒルガオが占める群生地に顔を出すことから考えると、意外と繁殖力が強いのかもしれない。この花によく似たものにコゴメギクがあるというが、まだこの花を見ていない。若しかしたら、ハキダメギクとして見てきた中にあったのかもしれない。コゴメギの舌状花はハキダメギクより一回り小さいというが、どの程度なのか中々知ることができない。
坂を上り、いつもの観察地へ来た。竹藪の多くは伐採され、宅地化されてしまって、遠くが見渡せるようになっている。今は、空き地で、先程見たシロノセンダングサが一面に茂っている。
いつもの観察地はここから西側の斜面にある。宅地から目を移した時、唖然とした。下草が刈られており、期待していたノコンギクなどは見る影もなかった。今年はどういう訳か、どこでも草刈りが早い。秋の草が花を咲かせる前に、ことごとく刈られている。
坂を下りながら、ノコンギクが残されていないか探した。すると、ぽつんと貧弱なのが見えた。花弁が細めだが、ノコンギクと思える。他にないものかとさらに探した。藪の奥の方に隠れるようになっていたノコンギクが見えた。此方はしっかりしている。見つけたのはいずれも白色の花である。今日は、この白色のノコンギクと、小さめで、紫色を帯びたノコンギクノの違いを調べようと、やって来た。小さめで、紫色を帯びたノコンギクノを探した。半分あきらめていたものが1株だけ見つかった。花の数は少ない。この小さめで、紫色を帯びた花が確かにノコンギクか確かめたい。
花の大きさを計測すると、白色の大きい方は2.5~3.0㎜、紫色で小さい方は2.0㎜。計測すると、見た目より差が小さい。
白色のノコンギク
紫色のノコンギク
この種は冠毛の有無、長さが種の決め手になるというので、冠毛を見ると、何方にも長い冠毛が認められる。また、葉を比べてみた。大きさ、形は多少の違いがあるが、毛の有無、鋸歯の様子などの基本的なつくりは同じように見える。この2つのものはノコンギクと思えるが、まだ確信が持てない。
つづく
撮影:10月25日
記 28年10月28日(木)