これはコスズメガヤ、エノコログサ、メヒシバ?
6月30日(木)
ここは地面に粗い砂がまかれており、人が普段自由に足を踏み入れるところである。春、ここにはスズメノカタビラが顔を出す。ところがそのスズメノカタビラがいつの間にかコスズメガヤに替わってくる。先日、何気なく、この草はススズメノカタビラではないかと、見ると、葉の先が舟形でなかった。ススズメノカタビラの葉の先は舟形なので、明らかにススズメノカタビラとは違っていた。よく調べると、コスズメガヤであることが分かった。
いま大きな株と小さな株が2つ見える。小さい株からは花序が出ていて、コスズメガヤであることが分かる。大きい株は何だろうか。過去の記録によれば、ここに現れるのはイネ科のススズメノカタビラ、コスズメガヤ、オヒシバの他はアレチノギクくらいである。アレチノギクはイネ科でないので、まず違うことが分かる。
左:試料 右:コスズメガヤ
試料
特徴
・地面を這うように伸びている
・葉 長さ8㎝、幅1.3cm
・葉は葉鞘となって茎を包む
・葉鞘には開出毛が多い
エノコログサを考えてみた。エノコログサの葉鞘には毛が無いと思っていたが、実際に見ると、紫がかった葉鞘には毛が随分ある。この毛について調べて見ると、エノコログサが小さい時には毛が多い。また、大きく成長した時はほとんど毛がないようだが、よく見ると、葉鞘の端に毛が残っている。しかし、試料の葉鞘の毛はこのようなエノコログサより、多く、長い。従って、試料はエノコログサとは違っている。
小さいエノコログサ
小さいエノコログサ:葉鞘に沢山毛がある
大きくなったエノコログサ:葉鞘の縁に毛が残っている
オヒシバの茎は太く、横へ広がっている。このつくりは踏みつけられることに強く出来ているといえる。葉を見ると。細く長い。この特徴は試料とは違っている。従って、試料はオヒシバでない。
オヒシバ
エノコログサ、オヒシバでないとすると、メヒシバが考えられる。メヒシバは花壇の中に出現するが、人の足が踏み込むところには出現していない。しかし、メヒシバ以外に思い当たるものがない。
葉を見直すと、どうも緑色がくすんでいるようだ。メヒシバの葉は灰白色ということを思い出した。生育している場所をあまりにも重要視していたため、初歩的な特徴を除いてかかっていたことに気が付いた。穂は出ていないが、試料はメヒシバになると思う。。
撮影:6月24日
記 平成28年6月27日(月)