イチゴツナギを調べる 1 「イチゴツナギのイチゴとはどれだろうか」
6月12日(日)
牧野新日本植物図鑑を参考にすると、「イチゴツナギの生育場所は日当たりのよい路傍、土手、河原に多く見られる」と説明されている。また、名前の由来としては、「村の子供等がイチゴの実をこれに刺したというのでいう」と説明されている。この2点を出発点として始めた。
村の子供等が遊んだイチゴの実とは、どのイチゴだったのだろうか。この辺を掘り起こしてみたい。また、その時のイチゴはキイチゴと説明されている。牧野新日本植物図鑑では、モミジイチゴにかっこ付きでキイチゴの名前が入っている。更に、説明を読んで行くと、キイチゴは木苺、黄苺であるとの説明もある。
イチゴツナギのイチゴはモミジイチゴになるのだろうか。牧野新日本植物図鑑では、「モミジイチゴは山野にごく普通にはえる」とある。イチゴツナギとモミジイチゴの生育場所が多少ずれている感がある。子供等がイチゴを指して遊んだことを考えると、イチゴツナギとイチゴはごく近くにあることが予想される。
すると、モミジイチゴ以外にも考えられるのではないだろうか。幾つか候補を当ってみた。
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牧野新日本植物図鑑
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寺崎日本植物図譜
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カジイチゴ
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記載なし
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関東南部の海岸、伊豆七島に野生する
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クサイチゴ
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山野に普通に見られる
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本州から九州に至る低地
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至る所の原野
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北海道から九州に至る低地、低山地
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カジイチゴ
以上からイチゴツナギのイチゴの候補を考えて見ると、カジイチゴについては、牧野新日本植物図鑑には記載がないので、牧野さんの知らないイチゴがイチゴツナギの名の由来になるとは考えにくい。従って、モミジイチゴ、クサイチゴ、ナワシロイチゴなどが考えられる。
つづく
記 平成28年6月6日(月)