公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

イチゴツナギを調べる 1 「イチゴツナギのイチゴとはどれだろうか」

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 イチゴツナギには似かよったものがいくつもあり、同定が難しいという。この時期を逃すと、この仲間を調べるには1年を待たなければならない。そこで再度考えてみた。
 牧野新日本植物図鑑を参考にすると、「イチゴツナギの生育場所は日当たりのよい路傍、土手、河原に多く見られる」と説明されている。また、名前の由来としては、「村の子供等がイチゴの実をこれに刺したというのでいう」と説明されている。この2点を出発点として始めた。
 村の子供等が遊んだイチゴの実とは、どのイチゴだったのだろうか。この辺を掘り起こしてみたい。また、その時のイチゴはキイチゴと説明されている。牧野新日本植物図鑑では、モミジイチゴにかっこ付きでキイチゴの名前が入っている。更に、説明を読んで行くと、キイチゴは木苺、黄苺であるとの説明もある。
 イチゴツナギのイチゴはモミジイチゴになるのだろうか。牧野新日本植物図鑑では、「モミジイチゴは山野にごく普通にはえる」とある。イチゴツナギモミジイチゴの生育場所が多少ずれている感がある。子供等がイチゴを指して遊んだことを考えると、イチゴツナギとイチゴはごく近くにあることが予想される。
 すると、モミジイチゴ以外にも考えられるのではないだろうか。幾つか候補を当ってみた。
 
牧野新日本植物図鑑
寺崎日本植物図譜
カジイチゴ
記載なし
関東南部の海岸、伊豆七島に野生する
クサイチゴ
山野に普通に見られる
本州から九州に至る低地
至る所の原野
北海道から九州に至る低地、低山地
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イメージ 2

イメージ 3
カジイチゴ
 
 以上からイチゴツナギのイチゴの候補を考えて見ると、カジイチゴについては、牧野新日本植物図鑑には記載がないので、牧野さんの知らないイチゴがイチゴツナギの名の由来になるとは考えにくい。従って、モミジイチゴ、クサイチゴ、ナワシロイチゴなどが考えられる。


つづく

  記  平成2866()