公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

越後湯沢のサクラ ソメイヨシノ・ヤマザクラ

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 横浜ではサクラの季節が終わった。急に咲き、瞬く間に満開になり、散って行った。華々しかった光景の印象は、昨日のように残っている。 
  サクラを求めて、湯沢へ行った。湯沢でどんなサクラが見られるか、下調べもせず、行き当てりばったりであった。高崎から上越線に乗った。後閑あたりへ来ると窓からソメイヨシノを目にするようになった。遠くからも満開であることが分かる。河沿いに咲くソメイヨシノの並木が綺麗に見える。
 長いトンネルに入った。清水トンネルである。車内の明かりだけで外は真っ暗である。電車の音だけが響いている。トンネルの中なので、余計大きな音になっている。暫く走り抜けると電車はトンネルを出た。ここが有名な川端康成の有名な小説、「雪国」の初めである。汽車が止まった信号所は、現在の土樽駅である。物語を追いながら電車は土樽駅を通過していった。土樽駅は、人の降りそうと思えない小さな駅だった。
 ここからは空には雲が多くなり、空模様が不安になってきた。電車はお客が少なく、ゆったりしている。その上に乗り心地のいい車両である。越後湯沢駅に着いた。この駅は何度か降りたことのある駅である。先程の「雪国」は、ここが舞台になっている。
 駅近くのサクラを見学した。空は曇り空で、時刻が3時半を過ぎていたので、そう多く見ることが出来ない。スキー場やホテル、旅館の庭などにあるサクラを見て回ることにした。
 スキー場の脇には大きなソメイヨシノの樹がある。都会の大きなサクラの樹肌は黒色でごつごつしているが、この樹肌は褐色で、樹肌が捩じれたようになっている。花は満開で丁度見ごろになっている。
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 ホテルの前に小さな川がある。川幅は狭いが水量が多い。水は滝を落ちるように音を立てて流れている。その川沿いにヤマザクラソメイヨシノがあった。ヤマザクラは全体が褐色気味で、ソメイヨシノは白色なので、多少暗くても区別がつく。
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 川を少し遡ると、滝が見えてきた。小さな人工的な滝だが、水の量には圧倒される。川の向こうに赤みを帯びたサクラが見える。少し薄暗いので、区別が難しい。小花柄、萼筒の様子が分かればと思い、何枚か写真を撮ったが、判断できる写真は1枚も撮れなかった。分かりそうな写真を基に考えてみた。萼筒は茶褐色で、小花柄は緑っぽい。毛は無さそうだ。ソメイヨシノではない。花弁の色から判断すると、オオシマザクラではない。残されたものだと、ヤマザクラの可能性が出てくる。しかし、赤みが強いのと、葉が見えないのが気になる。
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 萼筒は茶褐色で、小花柄は緑っぽい

 頭には先程のサクラが疑問として残されている。夕暮れが迫ってきているので、次の場所へ移動した。
 赤みがかった大きめの花が見える。遠くからでもサクラの仲間でないことが分かる。近づくと、次第に輪郭が分かってきた。シモクレンである。サクラを求めていたが、思わぬものを見つけることが出来た。未だ、膨らんだ蕾もある。見頃になっている。
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撮影:414

  記  平成28417()