公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

北陸への旅 白川郷の合掌集落

211日(木)
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長く吊下る氷柱

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雪の中の合掌造りの家

  合掌造りとはどんなものだろうかと、1軒へ入ってみた。入ったところには囲炉裏があり、炭火が赤く燃えていた。炭の火を見るのは何十年ぶりだろうか。昔の暖かさが思い出された。
 小さな火鉢に僅かな炭を入れ、暖をとっていたのがつい昨日のような思いがする。今より寒い時期に、「よく平気で過ごせた」と思い出される。
 部屋は広い。有所ある名家だけに、外からは想像出来ないほど各部屋が広い。中は薄暗くて、何があるかよく分からに状態だった。2階から上には、昔の人が使用した農機具や山仕事、木工、鍛冶などで使用した道具類がぎっしりとあった。注意して見ると、どんなものか名前がついているものも見かけた。昔の人はいろいろな道具を使い分けていたことが分かる。藁縄をなう道具、筵を編む道具などもあった。昔はいろいろなものを各家でつくり出し、それを使用していたことが分かる。
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いろいろな道具類が展示されている

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いろいろな道具類が展示されている

 興味があったのは屋根のつくりだった。一番下に葦簀が敷かれ、その上へ葦が重ねられていくらしい。梁、柱の接合は組み込みで釘や楔は使用していないとのこと、また、屋根の木材の組み合わせは荒縄でしっかり結わくだけだった。「この方法で重く、大きなものがよく支えられるものだ」と思った。経験から得た昔の人の知恵が随所に織り込まれていることが想像できる。
 集落全体が見渡せる展望台へ坂道を上って行った。冬の太陽が照り付け、スキー場のような風景である。山道には雪が積もっていて、土が見えない。疲れるせいか展望台へ向かう人は少ない。時々、樹に積もっていた雪がどっさっと落下してくる。落下する雪の量が多いので、頭にぶつかれば、全身が雪だらけになってしまう。上の様子を見ながら注意して上って行った。
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展望台へ向かう道:脇のスギ林
 
 展望台には何人かいた。少し汗をかき、暑くなったので、上着を1枚脱いだ。ひんやりとして気持ちがいい。下には今見てきた集落が広がっている。どれも同じような鋭尖形をした屋根になっている。田畑と見られる平地は雪が平らに積もっており、人を寄せ付けていない。「雪国」という雰囲気がぴったりしている。
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展望台から見た白川郷の集落
 
 素晴らしい集落の風景を見て、山を下った。空は青空で、遠くに白雲が少し見えるだけである。こんなに天気に恵まれるとは予想していなかった。


つづく


撮影:126


  記  平成28128()