富山県高岡市で見た樹木 イチイガシ?
11月13日(金)
「この大きなカシの樹は何というのだろうか」暗いのでよく分からない。葉は細長い楕円形をしている。シラカシの名前が浮かんだが、少し違うようだ。幹を見ると上へと伸びている。シラカシにも背の高い樹もあるが、この樹は背丈だけではない。背丈に太さが伴っている。しかも、樹皮が荒れている。剥がれそうな感じもする。シラカシの幹は老木になっても、これほど太くはならないし、樹皮が剥がれることはない。よく見ていくと、シラカシとは違っている。
試料
この樹の名前は?
葉
樹皮の剥がれそうなところはアカガシに似ているが、アカガシの葉には鋸歯がない。この樹の葉の上部には浅いが鋭そうな鋸歯がある。山陽地方を訪れた時に見たアラカシを思い出した。アラカシはシラカシによく似ている。アラカシの葉の上部はシラカシより幾分幅が広い感じがし、鋸歯も鋭い。今見ている樹の葉はアラカシよりはシラカシに近い葉に見える。葉では区別がつきそうもないので、果実を比べて見た。
葉:鋸歯がある
アラカシ
イチイガシ
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上記の資料には実に精密な果実の写真が掲載されていたので参考にさせてもらった。
「アラカシの殻斗には環があり下部の環は浅く裂ける」と掲載されている。ここで試料の殻斗を見直した。下部の環は浅く裂けていないようだ。アラカシの幹を見ると、試料ほど大きく荒れていない。試料の樹皮には剥がれそうになっているところもある。すると、アラカシとも違う気がしてきた。
殻斗:下部の環は浅く裂けていない
幹:樹皮に剥がれそうなことろがある
イチイガシの資料を見せていただくと、葉の形がよく似ている。若い枝、葉の裏には星状毛が密生していると書かれている。試料は写真での判断だが、星状毛があるようだ。この辺をきちんと写真撮影するなり、メモをしておけばよかった。
以上のことから考察すると、さらに詳細について調べる必要があるが、試料はイチイガシに最も近いようになってきた。
撮影:11月5日
記 平成27年11月12日(木)