エンジュ
7月28日(火)
公園の石畳に黄色い花弁が落ちてきた。落ちている花弁はエンジュである。エンジュの花はいつ咲き出したのか、毎年落ちた花弁を見て、今年も咲き出したと気づく。梢の色の変化で、枝の先に蕾が出来始めたことに気が付くが、開花には気が付かない。現に、今の様子を遠くから見ると、蕾なのか開花しているのか判断が出来ない。
エンジュの樹
今年は下の方に枝が出てきて花をつけた。近づくと、花の様子が分かる。このような花の形を蝶形花と呼んでいる。蝶形花とはどんなものか調べて見ると、左右相称で蝶に似た形の花だという。1枚の大きな花弁が旗弁(きべん)、真ん中にあり、合わさっているのが翼弁(よくべん)、翼弁を包むようにしているのが舟弁(しゅうべん)と名付けられている。
エンジュの枝
この形を見て蝶を想像できないこともないが、蝶の形と言われてみないと、蝶のようには見えない。大きな旗弁を見ると、中央に割目が入っている。この旗弁が2枚の羽根に見立て、翼弁と舟弁で込まれた部分を蝶の本体に見立てていることが分かる。本体の舟弁の中にはおしべやめしべが収まっている。名をつけた人の想像力の逞しさに驚かされる。
エンジュの花:蝶形花
写真を撮ろうと枝をつかむと、花はぽろぽろと落ちる。一寸動かしただけで、2つも3つも落ちる。「随分落ちやすい花だ」と感じていた。風が吹くと、ぱらぱらと舞っていく。以前花弁の散る様子をしばらく見ていたことがある。2-3秒経つと落ちてくる。下に溜まった花弁をかき寄せると、直ぐに元の光景に戻ってしまう。花びらが散るというのは、このように一挙に落ちるのだろうか。不思議に思える現象である。
落ちた花弁
撮影:7月28日
記 平成27年7月27日(月)