節分追儺式近づく
1月27日(火)
「梓弓つまびく夜半の永遠音(とわね)にも、鬼追うほどに春たちにけり」我が町内の神社で行う節分祭で朗詠される和歌です。詠み人知らずと伝えられている。
節分風景
神社の本殿で儀式を行った後、追儺式の一行は我が町会をはじめ5つの町内会を巡回します。一行は「したたれ」という古風な衣装をまとい、副豆を撒きながらまわっていきます。年に1回という珍しい行事なので、沿道に多くの人が見学に訪れます。朝11時に出た一行は5つの町内会をまわり、15時30分ごろに神社へ戻ってきます。その後、再度本殿で儀式を行い、一行が舞台へ上がってきます。皆さんに迎えられ、追儺式が行われます。いわゆる豆まきになります。
各町会での豆まきの風景
朗詠される和歌は風情が感じられる和歌なので、どこかに由来があるのではと思い調べてみました。すると、万葉集の中に
/梓弓爪引く夜音の遠音にも君が御幸を聞かくし良しも
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上の句が全く同じである。下の句についても調べてみましたが、似たものはありませんでした。誰がつくったか分かりませんが、この和歌を参考にしたと思われます。
豆まきの時、年男や年女が身に着ける衣装は「したたれ」といいの、煌びやかで昔の宮中の人が纏った衣装のようです。この衣装を着た年男や年女が舞台に立つと節分の雰囲気が一層盛り上がってきます。
したたれの衣装を着て各町会をまわる
年男や年女にもそれぞれ役割があります。一般に知られていないので、紹介したいと思います。
次の3つの役目があります。
・鳴弦(めいげん)…邪気を払うために、弓の弦を手で引き鳴らす人、東西 南北に一人ずつ配置される。
・儺人(おにやらいびと)…鬼を追う人、東西南北に複数人が配置される。
儀式の進行
1. 方相氏のリードで和歌を朗詠する。
2. 太鼓の音に合せ弓を射る。
3. 方相氏のリードで「鬼は外」と豆を打つ。
1.2.3.をそれぞれ3回繰り返す。
ちょっと複雑な儀式後、皆さんが期待している豆まきが行われます。マメが包まれた袋の中には景品の目録が入っています。多くの人はこの景品を楽しみにしています。
今年も盛大に行われることを祈っています。
(写真は過去のもの)
記 平成27年1月27日(火)