早春の息吹
12月21日(日)
眩しいように太陽の日が出ている。部屋の中から外を見ると暖かそうに見えたので、外へ出た。外へ出た途端に冷たい風に煽られた。マフラーをして出たが、マフラーの隙間を通して容赦なく冷たい風が迫ってくる。吹き付ける冷たい風に逆らい田へ向かった。田は耕し整地したのだろうか、草一つなく土だけである。近くから遠くへ目を移した。目の届く範囲は広々としている。田には何にもないせいか、雀の姿も見えない。
土だけの田
何の雑草も見られないだろうと、諦めていたが、畦に目をやると、緑が見えた。芽生えた葉も寒さにさらされ、じっと我慢して耐えているようだ。よく見ると幾つか花が咲いている。ナノハナの仲間が花をつけていた。株は大きく、花もたくさんついている。この時期にナノハナを見るのは初めてである。じっと立っていても寒い。「なのによく咲いているなぁ」と吃驚した。「ナノハナが咲くなら、他にも何か見つかるだろう」と思った。「雑草は強いなぁ」と思いながら畦道を進むと、青い小さな花が2輪見つかった。オオイヌノフグリと直ぐ分った。今の時期にも暖かい公園などでは目にすることがあるが、から風の吹き続ける畦に咲いているとは、再び驚かされた。日が出ているが、風が冷たいせいか、花弁は閉じ加減になっている。
ナノハナ オオイヌノフグリ
スズメノカタビラ 、ナズナも咲いている。どちらも細く花が小さいので分かりにくかったが、注意してみると、確認できた。
スズメノカタビラ ナズナ
ノボロギクも咲いている。面白そうな名前なので調べると、「ノ」は野原の「の」、ボロギクは果実の姿がぼろきれのように見えるということから名付けられてという。綺麗な花でなく、名前も気の毒な名前だが、生き抜く力の強さに驚かされる。直ぐそばにピンクのホトケノザも咲いていた。オオイヌノフグリ、ホトケノザは早春の代表的な花である。風が治まればここにも春が近付いているのかもしれない。
ノボロギク ホトケノザ
畦にはギシギシやハルジョオンのロゼっても見られる。ギシギシのロゼットは大きい。大きな葉を地面いっぱいに広げている。ギシギシのロゼットはポツリポツリと飛んで見られる。ハルジョオンのロゼットは密集している。沢山のものが地面に張り付いているので、土が見えない。
ギシギシ ハルジョオン
これから寒さは増してくるが、風がなければ春が近づいているようだ。雑草たちの開花を見ると、気候の微妙な変化を感じているように見える。遠方を見ると、雪をかぶった赤城山、谷川岳が見える。山を見るのも久ぶりだ。山を見、河を見ると、生命が清浄される。自然が生命を育んでいることを実感する。
撮影:12月18日
記 平成26年12月21日(日)