公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

トダシバについて

105日(日)
 
試料
 
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 「この植物の名前は何だろうか」と長い間調べていたが、ようやく分かってきた。一見オオウシノケグサと思えたが、花の時期が違うし、花や果実の大きさもひとまわり小さい。似てはいるが、同じとはいえなかった。ススキの小さいものと思えないこともないが、花の様子は明らかに違っている。
 全体の景観はイチゴツナギに似ている。そんな思いをした時もあった。しかし、花の時期、花の様子を見れば、明らかに違っている。いろいろな資料を調べてみたが、毎年解答に至らなかった。
 今年もこの花が見られる時期が来た。藪などに行くと、いろいろなところで見かける。「何という名前だろうか」との思いが、走り続けてきた。
 
 毎年のことで、解決できるとは限らないが、特徴を調べ、再度調べてみた。
観察事項
・背丈130cm
・茎 丸い、滑らか、節の数4
・葉 長さ43cm、幅1.5cm ざらざらしている。
  表面は緑色、両面に毛がある。
・葉鞘 毛がある。
・花序 長さ36cm
   花軸に小穂の柄がつく。柄の付け根に毛がある。
・小花 2つが対になっている。長さ3mm、幅1mm
 
資料
トダシバについて
牧野植物図鑑
・山野、原野に普通な多年生草本、高さ1m以上、葉は互生しやや無毛または有毛。下部は葉鞘となってときに粗い毛がある。花序は・・・2030cm・・・
 
保育社図鑑
・茎は細い円柱形、高さ60150cm、葉は広線形、長さ2040cm、幅615mm、基は 丸く毛がある。
花序は1030cm、腋に毛がある。小穂長さ3.54.5mm・・・
 
 
比べてみると、ほぼ一致しているようだ。
 
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地下茎が伸びる
 
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花序の長さ36cm
 
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小穂の柄の付け根に毛がある
 
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葉の表面、葉鞘、縁に毛がある  
 
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小花 2つが対になっている
 
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小花:長さ3mm、幅1mm
 
以上のことから考えると、 試料はトダシバと考えられる。
 
考察
「トダシバ」の名前は、聞いたこともあり、この植物の名前としても調べてみた。しかし、挿入されている図を見ると、やや違うのではという思いがして、中々決めかねていた。詳細を調べ上げ、11つ資料と照らし合わせて行くと、先が見えてくる。先入観を捨て、原点へ戻り調べて行くことの大切さが分かる。
 
 
  記  平成26105日(日)