トダシバについて
10月5日(日)
試料
「この植物の名前は何だろうか」と長い間調べていたが、ようやく分かってきた。一見オオウシノケグサと思えたが、花の時期が違うし、花や果実の大きさもひとまわり小さい。似てはいるが、同じとはいえなかった。ススキの小さいものと思えないこともないが、花の様子は明らかに違っている。
全体の景観はイチゴツナギに似ている。そんな思いをした時もあった。しかし、花の時期、花の様子を見れば、明らかに違っている。いろいろな資料を調べてみたが、毎年解答に至らなかった。
今年もこの花が見られる時期が来た。藪などに行くと、いろいろなところで見かける。「何という名前だろうか」との思いが、走り続けてきた。
毎年のことで、解決できるとは限らないが、特徴を調べ、再度調べてみた。
観察事項
・背丈130cm
・茎 丸い、滑らか、節の数4
表面は緑色、両面に毛がある。
・葉鞘 毛がある。
・花序 長さ36cm
花軸に小穂の柄がつく。柄の付け根に毛がある。
・小花 2つが対になっている。長さ3mm、幅1mm
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資料
トダシバについて
牧野植物図鑑
保育社図鑑
・茎は細い円柱形、高さ60-150cm、葉は広線形、長さ20-40cm、幅6-15mm、基は 丸く毛がある。
・花序は10-30cm、腋に毛がある。小穂長さ3.5-4.5mm・・・
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比べてみると、ほぼ一致しているようだ。
地下茎が伸びる
花序の長さ36cm
小穂の柄の付け根に毛がある
葉の表面、葉鞘、縁に毛がある
小花 2つが対になっている
小花:長さ3mm、幅1mm
以上のことから考えると、 試料はトダシバと考えられる。
考察
「トダシバ」の名前は、聞いたこともあり、この植物の名前としても調べてみた。しかし、挿入されている図を見ると、やや違うのではという思いがして、中々決めかねていた。詳細を調べ上げ、1つ1つ資料と照らし合わせて行くと、先が見えてくる。先入観を捨て、原点へ戻り調べて行くことの大切さが分かる。
記 平成26年10月5日(日)