公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

尾道 旱蓮木(かんれんぼくとシンパク)

128日(日)
 
  閑静な町、尾道を訪れた。駅を降りると目の前には瀬戸内海が広がり、向島が大きく見えた。踏切を渡ると細い路地がくねくねと曲がりつながっている。この細道は古寺めぐりの散策路になっている。今回は島の方を見る予定になっているので、いくつかの古寺を回ることにした。
 
時光寺
 大きな石造りの門がある。門を入るというより、「洞窟へ入る」そんな感じがした。ここの境内には旱蓮木(かんれんぼく)という聞きなれない樹木があった。「昭和天皇喜寿の祝いに、中国から送られた中国原産の落葉高木です・・・」と表記されていた。おや、黄色い花が咲いている。珍しい花だと思ったら、これは果実だという。小さいバナナがかたまっているように見えた。
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            石造りの門                      旱蓮木(かんれんぼく)
 
 光明寺には第12横綱陣幕の碑があった。陣幕1829年(文政12年)島根県出雲市生まれだという。土俵生活で1度も「待った」をしなかったことで知られ、勝率は94.6%であったいう。正に大横綱であったことが偲ばれる。
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               光明寺                  第12代横綱陣幕久五郎略伝
 
 宝土寺へ行く途中に形の変わった樹木があった。下の方は枯れたのか葉が全くなく、上のほうだけにかたまっていた。ヒノキに似た葉をしているようだが、高いところにあるので細かな点は分からない。幹には縦方向に無数の筋が刻まれている。名前はと見ると、「シンパク」と表示があった。初めて聞く樹木なので調べると、「ミヤマビャクシンの名前で、中部の高山の岸壁や砂礫地に生える常緑の低木・・・高さはほとんど50cmにもならない。古木をシンパクといって盆栽用に・・・」と書かれていた(牧野植物図鑑)。内容を見て、高さが50cmに満たない、盆栽ということから、本当にこの樹はシンパクなのかと思った。http://www.pref.kagawa.jp/kankyo/shizen/guidemap/big-tree/10.htmによると「小豆島88ヶ所の54番札所である宝生院の境内の東側、一段高いところの広場にシンパクの巨樹がある」という。何だか話が複雑になってきた。別の機会に調べ直さなくてはという思いになった。
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左:シンパク  右:イヌマキ
海福寺 
 海福寺には三つ首様という珍しい祠があった。三つ首様とは江戸時代末期に尾道地方を荒らした3人の盗賊のことで、この盗賊は、盗んでは貧しい者にお金を施していたという珍しい盗賊だった。3名が処刑された際、当時の住職の夢に3人が出てきたという。そこで、当時の住職さんが3人の首をこの地で供養されたのが始まりという。
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 急ぎ足でまわり、島へ行くバスの出発時間に間に合わせた。短い時間だったが、旱蓮木(かんれんぼく)を見ることが出来、シンパクの課題が残り、いい見学になった。
 
 
  記  平成251212日(日)