公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

倉敷の町

4月1日()
 
イメージ 7
美観地区
 
 倉敷駅に下りる。「紡績工場の町として栄えた」という知識ぐらいしか持ち合わせがなかった。美観地区という案内に従って駅から歩いた。「ここが美観」普通の町並みと変らないではないか」そう思いながら進むと、左側に「これは、昔の風景だぁ」と思われる場が出現した。「ここが美観地区なのだ」この光景を見て気がついた。案内があれば、そこからが案内の通りだなんて思うのは大きな間違いだった。
 一旦足を踏み入れると、人のざわめきはあるが、タイムスリップした雰囲気になった。昔、物資を大量に輸送するのに船がすぐれていたので、水路のあるところが発展することになった。倉敷も倉敷川を通して発展してきた町といえる。川沿いには物資を扱う商人たちが移り住み、住居や店などがつくられ、賑わったのではないかと思われる。古い家並みや倉庫はその名残といえる。
 美観地区の入り口に倉敷物語館があり、街の様子を紹介している。入り口にあるマツが美しく、静かで美しい町を象徴している。
イメージ 6
倉敷物語館
 
 川を中央に配し、両側に昔の家並みが続いている。川を船が進んできた。船頭さん、お客さんも昔のいでたちをしている。ゆっくり進んでくる船に周りの人の目が注がれる。優雅な調べが流れているような演出の中を進んでいる。この町にふさわしい情景である。
イメージ 1
川を進む舟
 
 向こう岸に土の塀をめぐらした豪商の住まいのよう思える建物がある。塀が美しい。大きな石組みが土台になり、その上にこげ茶色をした厚い横木が置かれ、そのうえに土塀状の黄褐色の土がはりめぐらされている。一番上は、屋根型に瓦が葺かれている。きれいな塀に川岸に植えられたヤナギの緑がさらに美しさを加えている。誰もが撮影したくなる一画面である。
イメージ 2
土の塀をめぐらした建物 とヤナギ
 
 ちょっと脇に入ると、こんな場所もある。家と家との間にある路地だが、両側の建物の外壁が絵になっている。白壁に格子状の枠模様が仕組まれて、人目を引き付けている。
イメージ 3
 
 橋からメインストリートと思われる水路を挟んだ町並みを見ると、本当に絵になっている。遠くにヤナギの緑が色を添えるが、サクラの時期だと、両岸のサクラが一斉に咲きほこる。そのときの景色を想像するだけでも美しさが伝わってくる。
イメージ 4
水路を挟んだ町並み
 
 町並みからちょっと奥に入ったところに紡績工場の跡があるというので寄ってみた。古めかしいレンガ造りの建物である。回りはツタで一面におおわれている。いかにも工場跡ということが偲ばれる。「クラボウ倉敷」どこかで聞いた名前だ、昔の女子バレーの名門チームだった。紡績とともに歩んできた町ということが分かる。
イメージ 5
紡績工場の跡 
 
 倉敷駅に下りてつかの間の時間だったが、素晴らしい光景を目にすることができた。「美観」の言葉がぴったりする。この環境の中へ入ると、気持ちが落ち着き、世間の騒々しさを忘れさせ人の心も美観にさせられてしまう。
 
撮影 3月22日()
記  平成25年3月31日()