小春日和の錯覚
10月25日(木)
雨後晴れ、晴れると小春日和な陽気になる。暖かくなった午後公園へ行ってみた。落ちている銀杏の数はめっきり減ったが、依然として刺激的なにおいは漂っていた。
臭い匂いの中、草が枯れたり、抜きとられた後の様子を見て回った。自然の営みは素晴らしいもので、小さな新しい芽生えが見えてくる。緑の中に、ポツンと赤い点のようなものがあった。葉を見ると、ホトケノザということが分かる。春先に咲き出したときはかわいく、新鮮さを感じた。10月に咲くホトケノザには生命力の強さを感じる。これから寒くなってきて、生存期間は短いことは明らかであるのに、生命をリレーする宿命を担わされたこの個体は自分の生命を全うとしている。その姿を思うと、涙ぐましい。
ホトケノザ 赤い点が見える
暖かな日を受け、心地よく小さな芽生えを見ていると、春に帰った錯覚を感じる。春ほど勢いは感じられないが、スズメノカタビラが芽生えていた。穂や葉を見ると、うぶそうな緑が目に飛び込んでくる。最近イネ科について検索を始めたので、スズメノカタビラについても試みた。
スズメノカタビラ
検索表は花、種子などが重要な観点になっている。ところが、これらは細かく肉眼では分からないことが多い。ルーペや双眼実体顕微鏡などの性能のいいものを使わないと詳細はつかみにくい。残念だが、素人には深く入って行けない。護頴にある脈の数などは知りたいが、諦めざるを得なかった。
帰りがけに入り口付近の植え込みを見た。昨年今頃、ここにはニワホコリが何本か残されていた。今日もありそうに思えた。覗くと、やはりあった。勢いがなかったが、ニワホコリには間違いなかった。
ニワホコリ
記 平成24年10月24日(水)