公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

四季の森公園「ヤマホトトギス」

919日(水)
 
 このところ天候不順で、四季の森公園への足が遠ざかってしまった。今日の天気は危なそうだが、涼しいので四季の森公園へ出かけた。中山駅からは15分ぐらい歩くことになるが、暑くないので、それほど疲れを感じることなく北門へ着いた。ここで少し休みながら蛍川橋を渡って行こうとしていると、蛍川橋を渡ったところに数人の塊が目に入って来た。あそこに何か特別ものがあるのだろうかと予想できた。
 蛍川橋を渡ると、土手にホトトギスが見えた。ちょっと見たところ、よく見かけるホトトギスのイメージとは少し違い、小さな花に見えた。更によく見ると、花柱に紫色の斑点がなく、真っ白に見えるのが印象的だった。「ホトトギスが咲く時期になったかぁ」としみじみ思い、過去の資料を開いてみた。
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 花柱が真っ白なホトトギス

 花柱に紫色の斑点がなく、真っ白なホトトギスを始めてみたのは石見銀山であった(資料1)。その時は名前が分からず、ただのホトトギスにしていた。
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 その後、資料2で簡単なホトトギスの検索表を作ってみた。この検索表を見直してみると、花柱に紫色の斑点がなく、白色をしているものとしてはヤマジノホトトギスのみにしていた。ところがこの検索表の写真を見ると、上のヤマホトトギスの花柱も紫色の斑点がなく、真っ白に見えたので、花柱が白色のものにはヤマホトトギスとヤマジノホトトギス2つがあるような気がしてきた。
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 ところが、資料3ヤマホトトギスを見ると、「花被片は反り返り、花柱に斑点がある。」とある。資料4のヤマジホトトギスの写真の花柱も紫色の斑点があり花被片は反り返っている。試料の写真を見ると、花柱に斑点がないのに、花被片は反り返っている。
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花柱に斑点がないのに、花被片は反り返っている
 
 ヤマジノホトトギスの花被片は反り返らないので、このホトトギスヤマホトトギスとヤマジノホトトギスノのどちらになるのか分からなくなってきた。資料5のヤマジノホトトギスを見ると、「花びらが平開きと言うことだが、かなり下がっているのも見られる、咲き終わりとかが関係しているか?」との記載があった。
試料の花は咲き終わりとは考えにくい。牧野新日本植物図鑑をみると、「ヤマホトトギスは葉腋、疎らな散房花序を出し、ヤマジノホトトギスは葉腋、13個ずつの花序」を出すと説明されている。この散房花序について調べると、資料6では「アブラナのような花軸に多くの花がつき、花柄が、下の花ほど長く、上の花にいくにしたがって短くなって、各花が平らになって並んで咲く花のつき方」と説明されていた。
この辺の解釈がよく分からないが、試料は葉腋から出た枝に数個の花をつけるのではなく、枝の先に少なくても10個以上はついている。以上のことから考えると、試料のホトトギスヤマホトトギスになるのだろうか。
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枝の先に花が10個以上はついている
 
 
撮影:912日ほか

  記  平成30915日(土)