イロハモミジの雄花と両性花?
4月10日(火)
広場の坂を下て行くと、シダレザクラが見えた。ここの広場にはソメイヨシノとオオシマザクラがあることは分かったが、このシダレザクラの存在には気が付いていなかった。他のサクラに殆ど花がなかったが、このシダレザクラは満開のようだ。近づいて花の様子を見た。萼筒を見ると毛が見られるが、膨らみが余りない。このシダレザクラはヤエベニシダレになりそうだ。この萼筒の様子はコシノヒガンに似ている。
ヤエベニシダレ
ヤエベニシダレの萼筒
次に見るのは下の方にあるキブシである。キブシは雌雄が別株で、何時も見るのは雄株ばかりである。「雌株に出会えないものかなぁ」といつも思っている。果実の時は緑色で楕円形をしたものを見かける。しかし花の時になると、どのキブシに果実が付いていたかがあやふやになって仕舞っている。記録を正確に付けなくてはいけないことがよく分かる。
これは雌花になるのだろうか、雌しべは見えるが、雄しべが見えない。ただ花を広く開いてみていないので、若しかしたら中に雄しべが入っているかも知れない。そうすると、両性花になって仕舞う。
キブシの雌花になるか
再びケヤキ広場へ戻り、クヌギの樹を見た。クヌギの枝からキブシと似た花序が下がっていた。花が咲いていることが分かる。下がっている花序は雄花である。雌花は新葉の葉腋に出来るというが、下から撮影した写真では確認が難しかった。
クヌギの雄花花序
クヌギの雄花
ここからばらの丸ノ橋を渡り、何時ものコースを進んだ。この橋のところにいつも見るアカシデの樹がある。枝先を見た時、雌花花序が長く伸びている姿に驚いてしまった。この分では雄花花序は見られないのではないかと思えた。案の定、雄花花序を探したが、なかなか見つからなかった。折角見つけたかと思うと、葯は開き、花粉は既に飛び去った後のようだ。
アカシデの雄花
雌花花序を見ると、どれが1つの雌花になるかよく分からなかったので、調べて見た。下記の資料等によると、「広い披針形の苞1個と浅裂した2個の小苞の基部から2岐した赤い花柱が1個出てくる。」のように説明されていたので、この説明を見ながら写真を見直したが、まだよく分からなかった。牧野新日本植物図鑑を見ると、「尖った苞鱗の内に2個付き、小包があって子房1個、2花柱がある」と説明されていた。この説明を見ながら写真を見ると、赤く見えるのが苞鱗で、緑色に伸び、先に頭があるようなものが花柱になるのではないかと思う。
アカシデの雌花
もみじ休憩所へ入り、ナツツバキを見た。冬芽の姿は全くなくなり、何枚もの葉が出てきて、その先に緑色の塊が1つ出来ていた。これが蕾であろうと想像できる。新葉の縁を見ると、こんなにも長い毛があったのかと再確認した。
ナツツバキ
ナツツバキの蕾
ここのカエデはイロハモミジになるのだろうか。樹を見ると、赤い小さな花が沢山咲いているようだった。イロハモミジの花はこんなに早く咲いたのかと、驚いた。昨年は4月20日に見ている(資料1)。ソメイヨシノだけでなく、全体的に開花が早まっているように思えてならない。資料2によると、「雌雄同株。一つの花序に雄花と両性花が混生する。」とあるので、写真を見直すと、撮影した中に、偶然雄花と雌花が写っていた。この雌花が両性花になるらしい。
イロハモミジの雄花と両性花?
撮影:4月4日
記 平成30年4月9日(月)