公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

坊ちゃん列車

322日(木)
 
 旅は松山駅から始まった。松山は夏目漱石の作品「坊ちゃん」、俳人正岡子規」のことで全国に知られている。駅前を見ると、奇妙な建造物が目に入って来た。「平和を誓う松山、戦後50周年記念」と記されている。済美高等学校の美術科の生徒による作品である。耳、目、鼻、口をデザイン化した建造物である。松山を訪れた人に「平和と人権の尊さを大切にしている松山の人の姿」を五感で感じてほしい願いが込められているという。最初に、金と銀で塗られた建造物を見た時は、これは一体何だろうかと思った。側の説明を読んで行くと、「なるほどそうか」との思いがしてきた。案内板の果たす役割は大きい。
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 平和を誓う松山、戦後50周年記念建造物

 直ぐ隣に正岡子規の句碑があり、「春や昔 十五万石の 城下かな」と書かれていた。最後の字が分からなかったが、下記の資料1によると「かな」と読むことが分かった。また、資料2によると、この句碑は現在松山に4基あるという。
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正岡子規の句碑「春や昔 十五万石の 城下かな」
 
 バスが松山市街を走ると、路面電車が平行して走っている。「ガタゴト」と大きな音を立てて走っている。昔は各地で路面電車が走っており、交通の便として庶民に親しまれていた。それが次第に車の数が増え、交通渋滞を引き起こしている元凶と見られ、姿を消していった。我々の年代のものにとっては、路面電車の走る光景は、子供のころが偲ばれ、懐かしい。
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 バスが松山市へ着いた。バスを降りると、道路の中央に機関車が見えた。路面電車そのものが珍しく思っていたところに機関車が現れたので、一層珍しさが増してきた。この機関車は坊ちゃん列車と呼ばれ、松山市民はもちろんのこと広く全国の人から親しまれている。バスを降りた直後、坊ちゃん列車に遭遇できるとは偶然の中の偶然の出来事である。早速、地下道を通り、ホームへ上がって見学に行った。機関車は小さいが、物珍しく、1度は見ておきたいものである。
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 坊ちゃん列車

 見ていると、機関車の方向転換が始まった。どのようにするのか見ていると、機関車は押されて奥の方へ移動した。ここから戻れば隣の車線へ入ることが出来る。しかしただ戻っただけだと、機関車は後ろ向きのままである。ここで、初めて見る光景に出っくわした。何と、機関車を横から押し、上の部分だけが回転し出した。下の車輪はそのままである。こんなふうにして機関車を回転しているとは初めて知った。子供のころ見ていた機関車は回転台へ入り、機関車全体が1回転し、方向を変えて出て来た。こんなに簡単に換えられるとは思っていなかったので吃驚した。この方向転換を見ていてさらに驚いたことがある。それは、この機関車は大人の人が一人で押しても動き出したことだった。そんなに軽いものだろうか。
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方向転換を終えた機関車

撮影:313

  記  平成30319日(月)