公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

節分追儺式 「福豆打ち」

28日(木)

 4時過ぎ、一行は神社境内へ戻って来た。境内はむろのこと、階段まで人、人で埋め尽くされていた。何とか道を開けてもらい、一行は本殿へ入ることが出来た。本殿では、5ヵ町をまわり節分追儺式を終えた報告の儀ある。方相氏を先頭に鳴弦、儺人等が整列し、儀式が行われた。
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 境内に集まった観衆

 本殿での儀式後、一行は境内に設けられた舞台へ移動した。詰めかけた人たちは、直ぐ豆まきが行われるものと思っているのか、歓声が上がっている。舞台では、まず、節分追儺式の儀式が行われる。この儀式は稲荷会町内会での儀式となる。一行は既に5回この儀式を行ってきている。ここでの儀式が最後となる。
 方相氏を中心にし、東西南北に鳴弦、儺人等が位置についた。節分追儺式の初めは和歌の朗詠である。「梓弓 つま引く夜半(よわ)の遠音(とおね)にも 鬼追うほどに 春立ちにけり」方相氏の朗詠の声が境内に響き渡った。続いて、鳴弦、儺人等が加わり、2度この和歌が朗詠された。和歌が朗詠されると、歓声で湧いていた境内が一時静まり返った。和歌には人を冷静にさせる魅力があることが分かる。次は鳴弦の儀が行われる。太鼓が「デン、デン、デン」と打ち鳴らされ、鳴弦によって弓が放たれる、「エィー」「ヤァー」「エィー」と3本の矢が放たれる。未だ儀式が終わっていないが、境内全体から歓声が上がり、福豆を待っている。最後は豆まきの儀である。「鬼は外」「鬼は外」「鬼は外」と3回方相氏の掛け声が響き、豆が打たれる。方相氏に続いて鳴弦、儺人等が加わり「鬼は外」の掛け声と同時に豆が2回打たれる。豆を打ち邪気や魔気を追い祓った後、方相氏が「福は内」「福は内」「福は内」と福を招く掛け声と同時に福豆を打つ。その後、鳴弦、儺人等が加わり2度福豆が打たれ節分追儺式が終わる。
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舞台上の鳴弦、儺人(過去の写真)

 節分追儺式を終えた一行は一端本殿へ戻る。舞台へは入れ替わりに稚児さんが上がってくる。今年は18人と例年にない盛況である。稚児さんが舞台へ上がると、一際歓声が大きくなった。古式ゆかしき衣装をまとった稚児さんは可愛く、絵になる。多くの人が写真に収めている。マイクのアナウンスの声と同時に福豆が打たれた。「福は内」「福は内」「福は内」と何度も福豆が打たれた。
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 舞台へ上がった稚児さん

 稚児さんが舞台を去ると、先程節分追儺式を行った一向に、総代さんをはじめ神社関係の人が加わり、舞台へ上がってきた。これからが皆さんが待っていた福豆が打たれる。皆さんが位置につくとマイクから「福は内」の声が響き渡った。同時に舞台から観衆へ向けて「福は内」の声と同時に福豆が打たれた。袋を広げている人、大声で叫んでいる人、両手を上げて待つ人等様々である。福豆の袋の中には景品との引換券が入っている。何が入っているかは後のお楽しみである。僅かな時間であったが、多くの人と共に楽しいひと時を過ごすことが出来た。
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 豆打ちに登場する方相氏、鳴弦、儺人等

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福豆を受ける観衆

 着替えを終え、境内へ戻ると。福豆を手にした人たちが景品との交換を行っていた。節分追儺式にかかわった人たちは、人が途絶え始めたのを見計らって、後片付けに入った。舞台の解体は、朝設置した順序の反対である。紅白幕、階段が取り外され、舞台の解体が始まった。ベニヤ板、簀子の除去が終わった。最後は、鉄製のポールの解体である。組み立てるときは時間がかかったが、解体は早い。あっという間に解体が終わった。
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舞台の解体作業

 この行事を行うにあたって多くの人が携わってきた。宮司さん、総代さんをはじめ神社関係の人のご苦労は計り知れないものがあったと思う。また、各町会の役員さん、女性部の人たちの陰の力も大きかったと思う。宮司さん、総代さんがどんなに頑張ったって、各町会の役員さん、女性部の人の力がなければこのような行事は上手くいかない。また、追儺式に来てくれる観衆がいなければ、追儺式にならない。表面に目立つところが注目されやすいが、このような行事には多くの地域の力が基盤になっていることを忘れてはならないと思う。
 
撮影:23日(一部過去の写真があります)

  記  平成3026日(火)