公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

節分追儺式 「5ヵ町巡り」

27日(水)

 先導車に乗せられた太鼓から「デンデンデン」と音が鳴り響く。太鼓を叩くのは助人に来ている学生さんである。揺れる狭い空間で、休みなく打ち鳴らすのは大変なことである。先導車の後を節分追儺式の一行の行列が進んで行く。ふれ太鼓の音で、行列が来ることを知った人が外へ出て迎えてくれる。「福は内、福は内、福は内」と声が掛けられ、福豆が配られ、撒かれる。邪気や魔気を祓い、幸福を招く豆である。
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 「福は内、福は内、福は内」と声が掛けられる

 古式ゆかしき直垂(ひたたれ)に烏帽子の姿が珍しいこともあって、道行く人は一時足を止め注目している。中には写真を撮っている人もいる。巫女さんへお賽銭を渡す人もいる。巫女さんはお祓いをして返す。
 第1の新町町内会へ着いた。行列の一行は、各町内会の公民館などへ着くと、そこで節分追儺式を行う。方相氏を中心に、東西南北の位置に鳴弦、儺人が着き、節分追儺式が行われる。
 和歌が朗詠された。「梓弓 つま引く夜半(よわ)の遠音(とおね)にも 鬼追うほどに 春立ちにけり」方相氏の一声に続き、鳴弦、儺人が加わり全員で朗詠する。場は静まり、荘厳な雰囲気になる。続いて、「エィー」「ヤァー」「エィー」と鳴弦が3度矢を放ち、邪気や魔気を追い祓う。続いて豆打ちの儀に入る。方相氏の「鬼は外、鬼は外、鬼は外」の声が場に響き渡る。さらに追い打ちをかけ、鳴弦、儺人が加わり全員で「鬼は外、鬼は外、鬼は外」と叫び、邪気や魔気を追い祓う。邪気や魔気を追い祓った後、方相氏は「福は内、福は内、福は内」と叫び、福を呼ぶ。方相氏に続いて鳴弦、儺人も加わり、「福は内、福は内、福は内」と叫び、福を呼び込む。
 儀式が終わると、場は和やかな雰囲気に変わる。儀式が終わると、各町内では一行の接待をしてくれる。ここでは甘酒が振る舞われた。天気がいいといっても、冬の外は寒い。甘く、温かい甘酒が喉を通ると、全身が温まって来た。接待に携わってくれるのは主に各町会の役員さん、女性部の人である。1杯の甘酒には、心がこもっている。ここには心の通いがある。
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 甘酒の振る舞い

 一行はここから第2の町内会へ移動する。場所が離れているので、ここからはバスを利用している。稚児さんは親御さんに守られながらバスに乗った。長い大きなのぼりもバスに入った。慣れない直垂(ひたたれ)に烏帽子の姿、草履履きのいでたちでバスの階段を上るのは一苦労である。バスは青木橋を渡り、立町にある図書館へ着いた。立町が第2の町内会である。
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 バスに乗る一行

 バスを降りると、多くの人が出迎えてくれていた。たまたま図書館に来ていた人も顔を出してくれたようだ。早速ここでも先程と同じ儀式が行われ、邪気や魔気を追い祓い、福を招いた。
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 立町の図書館

 儀式後、近くの公民館で接待を受けた。丁度昼食時なので、各自におむすびが配られた。立町町内会からは味噌汁と飲み物が出された。一行が入ると、町内会館は隙間がないくらいいっぱいになった。ここでも、町会の役員さん、女性部の皆さんは心づくしのもてなしをしてくれた。
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 立町町内会のもてなし

 休息をとる暇もなく、一行は次の町会へ向かうことになった。まずは、立町の下の町中をまわり、第二国道の坂を上り始めた。ここからは長い坂道を歩くことになっている。慣れない直垂(ひたたれ)に烏帽子の姿、草履履きだと、足元がふらついて歩きにくい。稚児さんも元気に歩いている。大人は稚児さんに元気をもらいながら歩き続けた。最後の坂を上れば、第3番目の町会になる。先導車が一気に上って行った。坂を上がり切ると、町内の人の姿が見えてきた。一行は「福は内、福は内、福は内」と声をかけながら福豆を撒き、福を呼んだ。
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立町町内

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 浦島丘町内会

 ここは浦島丘町内会である。町内会館の前で、第3回目の儀式が行われた。和歌の朗詠、鳴弦の儀、豆まきの儀と進み、邪気や魔気を追い祓い、福を招いた。出迎えてくれた人たちは、今年もよい年になるよう祈願していた。儀式後、町内の皆さんの接待を受けた。町会の役員さんはどこでも高齢化しているが、気持ちの良い接待をしてくれる。ここでは豚汁、飲み物が振る舞われた。心尽くしの接待である。
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浦島丘町内会館の前

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 浦島丘町内会のおもてなし

 浦島丘の町内を回り、次の町内へ移動した。ここは道路を隔てた向こう側なので、歩いてまわった。平日だと隣の中学校の生徒の顔が見えるのだが、今日は土曜日なので、学校は静かである。第4番目の町内へ着いた。ここはマンションのみの一画である。隣の中学校の生徒の声が聞えないので、閑散としている。人数は少なかったが、暖かく迎えてくれた。ここで4回目の儀式を行い、邪気や魔気を追い祓い、福を招いた。
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 浦島丘第2町内会

 ここからは再びバスに乗り、地元へ向かう。国道を渡り、京急の踏切を渡ると、亀住町に入る。地元なので迎える人が多い。山の町内を回ってきたことを知っているせいもあり、「ご苦労様」と声をかけてくれる。この町内には保育園が3カ所ある。平日だと沢山の園児がいて、可愛い顔が沢山迎えてくれるのだが、今年は土曜日なので、園児の数が少ない。それでもかわいい顔を見せてくれた。「福は内、福は内、福は内」の掛け声が連呼される。差し出された小さな手に福豆がのせられる。園児は「にこっ」と笑顔を返す。
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亀住町へ入る一行

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 福豆を受ける園児

 最後の休憩場所の亀住町公民館へ着いた。ここで、5回目の儀式が行われた。厳かな雰囲気に中で、和歌の朗詠、鳴弦の儀、豆まきの儀が行われ、邪気や魔気を追い祓い、福を招いた。儀式後、町内の接待を受けた。ここでも、町会の役員さん女性部の皆さんの暖かい志があった。ソバ、善ざい、飲み物と沢山の接待を受けた。
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亀住町公民館前

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 亀住町内会の接待

 ここから、出発地の稲荷会町内会へ向い、神社へ入る。踏切を渡れば稲荷会町内会になる。迎えてくれる人に福豆が配られる。「福は内、福は内、福は内」の掛け声が連呼される。直線の道を真っ直ぐ進み、町内の一番端へ来た。ここにはお祭り、節分追儺式等にあたり多大な心づくしをしてくれる泉屋さんがある。方相氏、鳴弦、儺人が揃って、福を招き、日頃のご尽力に感謝した。道を引き返し、中の道へ入った。玄関へ出て迎えてくれる人が多く見られる。神社へ近づくと、人のざわめき声が聞こえてきた。既に多くの人が詰めかけていることが想像できる。階段の下では、警察官が見守っていた。
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稲荷会町内会

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 泉屋さん前
撮影:23

  記  平成3026日(火)