コバンソウの花
5月31日(水)
畦道を歩いていると、コバンソウがしばしば見えてくる。小判に似ているからコバンソウの名前がついたという。この姿を見て、直ぐに花だと受け入れ人は少ないと思う。花というよりも果実と見る人はいると思う。この花は小花がたくさん集まって小判のような形の花序をなしている。小花がどうなっているか知りたくなり、資料を調べたところ、解答になる資料は見つからなかった。何時かこの小花の中がどうなっているか知りたいと思っていたので、1つの小花を包んでいる苞を開けてみた。すると、中に葯と思えるものが2個見えた、葯は本当には何個あるのだろうかと、もう1つの小花を開いてみた。すると、やはり葯は2個であった。牧野新日本植物図鑑では何個になっているか、確認してみると、牧野さんはここまで触れていなかった。端に、毛のようなものが見える。コバンソウはイネ科であるので、これは雌しべと考えられる。
コバンソウの葯
コバンソウの葯
この辺にオニウシノケグサが続いている。これもオニウシノケグサだろうかと思ったが、どことなく違っている。近くで見ると、イチゴツナギであった。大きなイチゴツナギを見ると、見掛けはオニウシノケグサと紛らわしい。そのまま瓜久保休憩場へ入った。真っ直ぐ緩い坂を上り、始めると、左側の溝沿いに、今見て来たばかりのイチゴツナギが群生している。前を見渡すと、この群生は一番上まで続いている。「すごい猛威を振るっているなぁ」とだれでも思うだろう。これまでして生命を繋げる生き方には感動するばかりである。
水田の畔に白色の花をつけた大きな株がある。一見して、今まで見て来たウツギだと思った。しかし、先程はウツギとエゴノキを見間違えている。望遠写真を撮り、確認した。花は下を向いているが、長い柄がない。やはり、ウツギであった。
ウツギ
ウツギ
カッパ池の横で前回確認したヤブヘビイチゴを見た。前回同様赤い果実が出来ている。改めて果実の大きさを計測した。直径が2㎝ある。ついでに葉も計測した。葉は長さが4㎝、幅が3㎝であった。牧野新日本植物図鑑でヘビイチゴの葉の大きさを見ると、長さは2~3㎝、幅1.5~2㎝となっている。また、ヤブヘビイチゴは長さが3~4㎝となっている。幅については記載がない。果実は径が2㎝と触れられている。ヘビイチゴに似た仲間は色々あり、紆余屈折してきた。分かってしまうと、「何だ、こんなこと」と思われるが、区別が出来た時は大きな感動があった。
ヤブヘビイチゴの果実
直ぐ近くでカッパが相撲を取っている。相撲を取っているとは大げさだが、彫刻である。一寸雰囲気が変わって、ここで気分転換が出来る。この彫刻の近くにヤマボウシの樹がある。ここのヤマボウシの開花は他所のヤマボウシよりも遅い。白色の萼がピーンと張っていて、瑞々しさがある。中央にある小花はもちろんまだ蕾の状態である。
撮影:5月24日
記 平成29年5月26日(金)