カタクリの里を訪ねて ―片倉城址公園1―
4月2日(水)
華やかなサクラの季節の中に、忘れてはならないカタクリの可憐な姿がある。以前はいろいろなところで見られたと聞くが、今では限られた処でしか見られなくなってしまった。サクラを見る合間に片倉の方にあるカタクリを見に出かけた。
片倉城址公園は片倉の駅から近いところにある。公園に入ると、どういうわけかいろいろな彫刻像があった。正面に白色で一際目立ったものがあった。撮影してみたら浦島長寿舞と記名されていた。自分の住んでいるところは、浦島太郎に関係があるところなので、何か通じるものがあった。
浦島長寿舞の像
彫刻像の左右は、前方の山からの湧き水が滲み出ている。左側には池があり、その中の小島に2本の大きな樹が聳えていた。「何の樹だろうか」と考えた。幹には縦方向に縞模様がある。梢を見ると、玉のようなものがある。果実と考えられる。メタセコイアが思い浮かんだ。メタセコイアに似たものにヌマスギがある。近くに同じような樹木があったので、落ち葉を探した。運よく見つかり、小葉を見ると、互生になっていた。その結果、ヌマスギであることが分かった。
ヌマスギ
ヌマスギの気根:岩のように見える
山に入ると、入り口からカタクリ、カタクリの連続風景が目に入ってきた。感動の一瞬である。何年か前、別のところでこのような光景を見たことがあるが、そのときの感動が戻ってきたようだった。カタクリは北西方向のあまり日が当たらない斜面に咲くという。ここもそのような斜面になる。斜面いっぱいに咲く光景は何度見ても見飽きることはない。
カタクリの連続風景
山の入り口に数人の人が順番を待っていた。何だろうと近づいてみると、そこにヒトリシズカが咲いていた。花びららしいものはなく、誰でも素通り過ぎてしまうようなみすぼらしい花だが、名前がきれいな名前である。名の謂れは、あの「静御前」という。そのことで名が知られるようになったという。昔近くの藪で1度見たことがあるが、それ以来今日まで見ることはなかった。
撮影:4月1日
記 平成26年4月1日(水)