年末夜警パトロール 第1日目
12月28日(土)
寒く、どんよりとした日になった。今日の夕方から夜警が始まる。夕方は冷えてくる予感がする。暖をとるためにストーブは欠かせない。明るい昼間のうちに準備に入った。拍子木、懐中電灯そして石油ストーブ、中でも石油の補充は手を汚し、手間がかかる。石油の量が充分確保されているか心配になった。
早めに行ってよかった。案の定石油ストーブの石油は空っぽになっていた。「使ったら補充する」このことは当たり前のことだが、成されていない。「大人の世界とはこんなものかな」嘆かわしい現実である。寒く暗い中を、石油タンクを倉庫まで持って行き補充した。
午後7時近くになると、女性部の人、役員さん、有志の人が夜警の詰め所になっている神楽殿へ集まってきた。女性部の人は、早速湯を沸かし始めた。また、下ごしらえをしたおでん等の材料を運ぶ込み、温め始めた。テーブルにはみかん茶菓子が用意され、来た人にはめいめいに温かいお茶が配られた。
女性部に、火のついているストーブを守り、休憩時間の接待の準備をお願いし、男性部は外へ出た。雨が降りそうな気配も感じられたのが、出てみると、その心配はなくなっていた。寒いことは寒いが、風がないのが幸いにして、身にしみるほどの寒さでなかった。
二手に分かれて町内の夜警パトロールへ出た。拍子木を打つ人、懐中電灯を照らす人、表示灯を持つ人・・・と手分けをした。「チャキ、チャキ」と打つ拍子木の音に続いて「火の用心」と大きな声で叫ぶ。また、「チャキ、チャキ」と拍子木が打たれる。町内を歩きながら、数件ごとにこうやって叫ぶ。窓から顔を出し、「ご苦労様です」と慰労してくれる人もいる。時々車が通る。誰かが「車、車」という。パトロールに熱中してしまうと、車の通行に気がつかなくなることもある。家々の間にある細い通りを通るときは、余り風を感じないが、広い通りに出ると、風が出ている。でも、今日は穏やかな方である。約45分余り夜警パトロールをして、休憩に入った。
詰め所へ戻ってくると、女性部の人の心遣いで、休憩の準備が出来ている。テーブルに暖かいものが用意された。美味しいにおいが部屋に漂ってくる。「ご苦労様でした。暖かいもので労ってください」の言葉で、会食をしながら懇談に入った。
普段中々話す機会がないので、こういうときは町内の情報交換の場になる。お互いに「こんなことがあったのか、あんなことがあったのか」と親しみを持ち、話し合えるようになってくる。
9時から2回目のパトロールに入った。声を大きく響かさせるために一手で周ることにした。大きな集団になった。「火の用心」と叫ぶ声も一段と大きくなった。この時間になると、町内を歩く人はさすがに少なくなっている。しかし、車はまだ時々通っていく。「チャキ、チャキ、火の用心、チャキ、チャキ」の音と声が暗闇に響いている。
外へ出たところ パトロール風景
記 平成25年12月27日(土)