公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

厳島 弥山の樹木(ミミズバイ)

12月6日(金)
 
   アラカシ、アカガシは1字違いで名前がよく似ている。先日、このアカガシに触れたが、もう一度確認したく触れることにした。牧野植物図鑑によるとアラカシは中部以南の山野に普通の常緑の木、アカガシは中部以南の土地に多い常緑の木とある。だが、アラカシは関東の自宅近くでも見ることがある。アカガシにはまだ出会えていない。分からないせいもある。
 最初にアラカシを見たとき、シラカシとの違いが区別できなかった。目が慣れてきて、シラカシの葉の方が細いことが分かり、ひとまずそこで安堵したが、図鑑を見ていくとアカガシが出てきた。アラカシとアカガシは紛らわしい。慣れるまで「あれ、どっちだった」と迷い図鑑を見直し、確認することがしばしばだった。この旅でもしかしたらアカガシを見ることができるかもしれないと期待していた。
 アラカシ、シラカシの樹皮はどちらかといえば滑らかに近い。このアカガシと思われる樹の樹皮はごつごつと荒々しい。アカガシの幹がこんな感じであるとは、予想していなかっただけに印象に残った。
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アカガシ
 
  「あの樹がアカガシなのか」と物思いをしながら山を下っていくと、「こつこつ」とかすかな音が耳に入った。「何かなぁ」と音のする方へ目を向けていくと。なんとキツツキがあのアカガシを突っついていた。そっと近づき動きを止めると、キツツキも動かなくなった。警戒していることが分かる。そっと写真を撮り、しばらく動きを見ていた。やはりじっとしていて動こうとしない。
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キツツキ
 
 アカガシ、キツツキを見た余韻を残し、大分山を下った。左に小さな実をいっぱいつけた樹が見えた。アラカシである。今まで見てきたアラカシには果実はなかった。既に落下済みと思っていた。ここに来て意外な光景に出会った。この出会いもあのアカガシが導いてくれたのかもしれない。
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アラカシ
 
イメージ 4イメージ 5
                 葉                                 果実
 
 細長い葉をたくさんつけた樹木がある。ヤマモモ、キョウチクトウに似ているが、いずれでもない。この山を登りだしてからこの樹は頻繁に出てきている。ずーと考えながら進んできたが、回答をつかむきっかけが見つからなかった。ところが、同じ葉をしていて果実がついているものが見つかった。果実のつき方から、とっさに「ホルトノキ」の名前が浮かんだ。しかし、少し違っている。葉に鋸歯が見られない。果実は円錐体に近い。後日調べてみたら、ミミズバイということが分かった。実の形がミミズの頭に似ていることからこの名前がつけられたという。
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ミミズバイ
 
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ミミズバイの果実
 
 
  記  平成25年12月6日(金)