厳島 弥山の樹木(サルトリイバラ)
12月5日(木)
崖下に赤い実がある。先ほどソヨゴを見てきたばかりだ。「またソヨゴかもしれない」という先入観で見ると、ソヨゴの葉らしいものが見えない。近くに鋸歯のある葉がある。この葉はヒサカキである。すると、枯れかけている丸みを帯びた葉がこの果実の葉であることになるようだ。この葉は何処かで見た経験がある。つる性で、切ろうとしたら素手ではとても切れなかったことを覚えている。調べたらサルトリイバラであった。果実を調べると赤く、つき方もほぼ同じだった。
サルトリイバラ
細かい鋸歯の入った低木が出てきた。「サカキかヒサカキか」と迷う。確かサカキには鋸歯がなく、ヒサカキにはあることを思い出した。ヒサカキに似たものでハマヒサカキは公園などで、よく目にする。しかし、サカキは余り見ることがない。両方をしばしば見れば、それぞれの特徴が比較でき、覚えることも出来るのだが、そのような機会が少なく、何時も迷う。これは鋸歯があるので、ヒサカキと思われる。果実はないものかと近辺を見回した。蕾らしいものがあった。花はいま咲く時期でないので、これは果実と思う。しかし、果実ならいま頃は熟し、黒くなっているはずだが、これはまだ白っぽい。
ヒサカキに注意ながら進むと、偶然サカキが現れた。葉に鋸歯がなく間違いなさそうだが、まだ自信がない。果実のついているものがあればと探した。運がいいことにわずか果実をつけているものがあった。黒色をしている。サカキに間違いない。同じ場所で、ヒサカキとサカキが見つかるとは、運がいいことだ。
サカキ
山を登りながらいろいろな植物を見ているが、通るところに花は殆んどない。それでも何かあるのではと期待をしていた。まもなく白い小さな花が見つかった。「これは何という花か」と思って近づくと、葉の鋸歯が鋭く尖っている。葉を見てこれはヒイイラギであることが分かる。ヒイラギがこのように鋭い鋸歯を身につけたのは動物に食べられないようにするためだったという説がある。
ヒイラギ
記 平成25年12月5日(木)