公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

厳島 弥山の樹木(シロダモとアラカシ)

12月3日(火)
 
  モミジ谷公園へ入りかけると、アセビに似た樹木が多数あった。以前も同じところを訪れているのだが、時間が空くと記憶から遠ざかってしまい、確かにアセビだったかが頭に浮かんでこない。同じような樹木をいくつか通り過ぎて「ああ、やはりアセビだ」ということになる。今日のように小さな蕾であるときもあるが、花のときもある。訪れるときにより風体が違ってくるので少しの間躊躇してしまうことになる。
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 葉が細長く、全縁で珍しそうな樹木がある。しかし、この樹木も以前見た記憶がある。名前を思い出すことが出来ない。白っぽい花が咲いている。蕾も見ることが出来る。以前見たとき、花はもっと開いていた。確かに見たことのある樹木なので、思い出そうとするが、中々出てこない。後で調べると「シキミ」という名前だった。「シキミ、・・・」聞き覚える名前だった。
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シキミ
 
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               葉                             蕾
 
 弥山を登っていくと、赤い実が目に付いた。高いところにある。葉を見ると、3脈が目立っているように見える。「下の方に葉はないものか」と探した。葉は直ぐに見つかった。3脈が目立つところは間違っていない。葉のつき方を確認すると、枝の先に纏まっている。シロダモに間違いない。以後同じようなものに何度も出会うことになるが、見るたび様子が違ってくる。赤い実はあるが、葉のつき方が明瞭でないものもある。迷いながら進んだ。高いところのシロダモの枝を下に曲げ、実を撮影しようとしたら、高すぎて手が届かなかった。苦心していると、若い外人さんがひょいと来て、枝を下ろしてくれた。撮影は成功した。なんて気持ちの優しい外人さんなのだろうと思った。
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シロダモ
 
 弥山を登り始め、奥に入ると、ケヤキのような大木が現れ出した。葉は上の方にあるので、手がかりにすることが出来ない。幹を見ると、ケヤキと判断するには怪しくなった。ケヤキならば、樹皮が剥げてくるはず。ところがその様子は見られない。葉を見たいのだが、望遠で撮影してみると、葉の縁に荒い鋸歯があるように見えた。ケヤキに似ているが、ケヤキはこんなに針のようになっていない。
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ケヤキのような大木
 
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望遠で捉えた葉
 
 ケヤキでないとすると、シラカシかと思えてきた。しかし、鋸歯が針のようになっている点はシラカシを示していない。幹だけを見ると、どことなくシラカシの気がしないこともないが、怪しい。そのうち、幹にうっすらとした縦じまが見えてきた。ますますケヤキシラカシではなくなってきた。この樹木に注目しながら登っていくと、問題の樹木を見下ろせる位置があった。葉が見えた。見ると、アラカシと判明した。アラカシはこんなに大きな高木になるのかと思い、調べると20mぐらいにはなるという。公園などで見るのとは違い、自然の中での樹木の判定の難しさが分かってきた。
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縦じまが見える幹 
 
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葉 
 
 
  記  平成25年12月2日(月)