公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

春めきザクラ・オカメザクラを見る

3月17日(日)
 
  あぐりパーク嵯峨山苑」は斜面になっている。「サクラと菜の花の園」である。菜の花が沢山あり、どの株も沢山の花をつけ、サクラの間を黄色と緑の絨毯で埋めている。斜面なので視野が広がる。山方向に、谷方向にと美しい景色が広がっている。遠くは東名高速、その向こうに酒匂川に注ぐ川音(かわと)川の合流点が見える。合流した川は川幅を広げ、ゆっくりカーブを描いて流れている。この風景を見ると、「平和でいいなぁ」と思う。
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酒匂川に注ぐ川音(かわと)川の合流点 
 
 このピンク色の斜面に赤い花が一際目立つ。カンヒザクラである。枝から赤い房をたれているように見える。この房は花の蕾で、まだ開いていないようだ。
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 一際小さな花をつけたオカメザクラがある。少し赤みがかっている。カンヒザクラ とマメザクラ(フジザクラ)のかけ合わせでできたものという。赤みを帯びたところはカンヒザクラの系統を引き継いでいるといえる。
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 自然館の入り口に「春めき桜」というものがあった。品種改良でいろいろな桜があるとは聞いていたが、「春めき桜」はごく当たり前の名前で、興味を誘う名前だった。花を見ていると、ピンク色から白色へと変わってきているように見える。花が成長するにつれて色を変えていく、「正しく春めく」そんな感じがする。この春めき桜が「あぐりパーク嵯峨山苑」の斜面にも広がっていた。斜面に沿うて見る春めき桜と菜の花の混ざった景色も一段と美しい。色のバランスの美しさに、斜面独特の美しさが加わっている。
 春めき桜は、カンヒザクラとシナミザクラの交雑種で、南足柄市内の農家などで彼岸の頃に咲いていた桜の枝から育成し、2000年3月に品種登録された、比較的新しい桜だという。
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斜面に咲く春めき桜
 
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自然館前の春めきザクラ
 
 暖かくのどかな1日の散策だった。河津桜を見ながら他のいろいろな花を見ることができた。春うららで、一足早く春が進んでいる気分が味わえた。足元にも、いろいろな草花を見ることができた。陽だまりの斜面にはホトケノザがひしめいていた。雑草といわれても、このように見事に咲いていると、草花の美しさが伝わってくる。まして拡大写真で見ると、きめ細かな美しい花のつくりに感動させられる。オオイヌノフグリもいたるところに咲いているが、こういうところで見るといっそう美しさが増してくる。1つの花を覗き込んで、おしべやめしべはどうなっているのかと調べてみたくなる。町の中の花壇の隅に見られるヒメオドリコソウも、ここでは「この花は何という名前かなぁ」と思う野草に変わっている。空気のきれいな、そして養分の豊富な環境に育っているせいか、それぞれの花が個性を充分発揮しているようだ。
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           オオイヌノフグリ                     ヒメオドリコソウ
 
 河津桜の間を蜜を求め、うれしそうに飛び回るヒヨドリの姿には、自然の営みが強く実感させられる。例え、小鳥といっても、その生き方からは何か学ぶものがある。
 河津桜の間から見る雄大な富士山、思わず「富士さん」といいたくなるほど、親近感がある。真っ白な雪を覆った大きな姿は、人に安堵感を与えてくれる。
 
  平成25年3月12日(水)