ムクノキとエノキの考察
11月24日(土)
この樹の名前は?
この樹はなんという名前なのだろうか。葉はエノキに似ているが、どことなく違っている。葉を1枚取り調べてみたいと思っているのだが、高いところにあるので手が届かない。落ち葉で見ると、触った感じでは厚みがなく、艶もないようだ。エノキでないとするとムクノキになるのだろうか。木肌を見るとムクノキとは思えない。そこで調べてみた。
観察結果
葉
先が次第に細くなる。もとは緩やかで丸みがある。
長さ8cm 幅4cm 鋸歯の先が棘のようになっている。
表面はざらざらし、伏毛がある
幹
灰褐色、薄らとした縦方向の模様が見える。
果実
緑色 球形 径1cm
保育社の植物図鑑検索表ニレ科を見ると
ニレ科
葉は基部に3脈が著しく、葉脈は6対以下花被は離生。果実は核果
この中にエノキ属 、ウラジロエノキ属、ムクノキ属がある。
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試料A
葉と果実
葉の表 葉の裏
試料Aの葉脈は6対以下といえるだろうか。この点が引っかかる。
試料B
葉の表 葉の裏
試料Bは葉の表面の艶、葉脈の対数などからエノキ属 、ウラジロエノキ属、ムクノキ属の仲間に入る。
試料C
葉の表 葉の裏
試料Cはいままでムクノキと判断していたものだが、本当にムクノキでいいのだろうか。葉脈は6対以上に思える。
葉脈はふちの近くで曲がり、鋸歯の先へ達しない…エノキ属 、ウラジロエノキ属
葉脈はまっすぐ鋸歯の先へ達する…ムクノキ属
試料Aの葉脈は鋸歯の先へ達しているのでムクノキ属に入るのだろうか。
試料Bの葉脈は鋸歯の先へ達していないのでエノキ属、ウラジロエノキ属 に入る。
エノキ属にはエノキ、エゾエノキ、コバノチョウセンエノキ、オガサワラエノキがある。試料Bの葉は裏面は白くなく、両面ともほとんど無毛なので、これはエノキになる。
試料AとCは別のところのものだが、同じ種類のものと思われる。これがムクノキなのか知りたい。
ムクノキ属にはムクノキ1つしかない。
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いくつかの図鑑をあたると、ムクノキの中には葉脈が6対以上のものもある。この辺はどうしても引っかかるが試料AとCはムクノキでいいのではないだろうか。
何とか分かってきたようだが、まだまだ詳細を調べる必要がある。いずれにしても、試料をきちんと揃えなければならない。再考してみたいと思う。
記 平成24年11月24日(土)